2006年09月10日

第54回NHK杯2回戦 △長谷川直九段対▲小林覚九段 196手完 黒13目半勝 








 解説:武宮正樹九段
 □白6の割打ちは面白い手。長谷川は過去に一度打ったことがある、と言っていた。武宮はやたら評価していた。
 □黒19まで左辺は黒が戦いの主導権を握っているが、白は20と外してみると、黒19の腰が低く、黒の振り上げた拳が空転可能性もある。
 □というのは、白は6、8が軽く、今のところ死んだ振りをしている白10も不気味ではある。
 □黒21〜25と攻めを続行するが、白は26、28、30を利かしておいて、又もや手抜きで白32の大場に。左下隅はあたら抵抗しても格好のよい受けは見当たらず、それならいっそ徹底的に手抜きしても、死にはない、と居直っている。
 □白26では後手でも参考図Aのように治まっておくのもあった。
 □黒31は参考図Bが正解。従って白30は生意気だった。
 □だから白32では機敏にツケコシから左辺に手をつけていくべきであった。参考図C、これは白勝ちの図であった。
 □それなら黒も33〜白40と先手で白を左下隅に封じ込めて事なきを得た。
 □戦いは右上に移って黒41〜45の時、白はこの碁三度目の手抜きで、右下46へ。
 その後、黒47、白48、黒49と双方大場を打ち合ったかにみえるが、白48では右辺よりも、下辺が急場だった、と小林覚九段。参考図Dである。従って黒47でも下辺が急がれた。
 □その意味で、黒50は実戦よりも、一路高い四線がバランス上優った。
 □白54、56の切り込みをゆるしては、黒はせっかくの局勢をリードする機会を逸して、ここまでイーブンか。
 □だが、黒57の時、白は四度手抜きをして右上に回る。
 □白58〜70となって、白は右上、左上、下辺と三ヶ所で地を稼いだが、黒は67、69の切りノビがその後の73、75とあいまって厚い。こうなれば、中央の黒模様は巨大となり、地模様の様子を呈してきた。
 □だから、白64ではやはり普通に参考図Eに従うべきであった。
 □黒67、69は厚い。こうなっては双方先手の黒71には白は回っている余裕がない。(白が70で71のところを当てても黒手抜きで下辺の二子取りにまわり、白抜きには黒18の上を押さえて何事も無い)そんなことより、黒73、75となると中央の黒模様がでっかくふくらんできた。
 □76の消しは黒の53と77を結ぶ黒の生命線からほんの僅か外に出ている。つまり、その分遠慮があった。ここでは参考図F、Gのところまで、あと一歩踏み込みが必要だった。
 □局後黒の長谷川は「(実戦の白76のところで境界線を引いて)細かいと思った」と語っている。実戦は結果13目半の大差に終わったが、黒は右辺のミスで6目、右上の両ハネツギで4目、左上で1目とヨセで明らかなミスを3ヶ所計11目犯しているから、実際は2目半の差になる筈であった。この2目半を僅差と見るか、プロなら大差と見るかは意見の分かれる所だが、いずれにしても負けは負けである。

 参考図A 白26では切りもあった






 これは、いかにも武宮らしい正々堂々とした打ち方である。白は白26のサガリがあって、隅のハネという楽しみがある。

 参考図B 黒31はトビが正着






 黒31〜45となれば、隅の19目の白地より、黒の外勢が優る。従ってその前の白30は無い手。

 参考図C 白32ツケコシから軽サバできていた






 黒35で白32の一子を噛み取れば白は黒19の下の当て返しからカケツギが好形だし、黒が抵抗して35にノビっれば攻め合いだが、白はいつのまにか左下を白64まで生き形にしてしまった上、左辺の花見コウのおまけつきでは勝負はあった、ということになる。

 参考図D 白48では下辺が急場






 白のことだけを考えれば右辺に実戦の白48と鶴翼の陣型となって良いのだが、この碁では左辺一帯の黒の模様の消長が一大問題であって、それを牽制する白48である。黒49と右辺を連打しても白50、52とツメて、黒の壁を棒石にして攻める勢いが優る、というものだろう。したがって、その前の黒47もやはり、下辺が急場だった。

 参考図E 白64では普通に押さえノビ






 これなら、おだやかな進行で、これからの碁だった。

 参考図F 白76ではあと一歩踏み込んで天下分け目の決戦






 白76ではここまで踏み込んでいかなければ勝負にならない。黒79のカケは無理気味だし、

 参考図G 79受けが生命線






 この白79が黒のデッドラインだろう。以下白80、黒81、白82と双方譲れぬ一線。白も恐いが、黒はもっと恐い。















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2006年09月08日

第31期名人戦挑戦手合七番勝負第1局 △張栩名人対▲高尾紳路本因坊 269手完黒半目勝2006.9.8/9








 解説:武宮正樹九段(NHK-BS2)、加藤充志段(『幽玄の間』)
 □白6とシマって、黒7の両ジマリを許す。かっては「黒に両ジマリを許しては白不利」とされていたのが、大ゴミ=6目半の時代となって、考え方の変わってきている、と武宮正樹九段。
 □白10でケイマシマリの受けは参考図Aで、黒がのびのびとしていて良し。
 □従って、白10(とは限らないが)のハサミは当然。
 □黒11三々入り〜19は穏やかな選択。
 □白20は普通は参考図B。実戦の白20は頑張った手。
 □黒21で、O-16やR-14はやや“利かされ”。したがって実戦の黒21は最も頑張った手。
 □白28黒29は利かし。
 □シチョウ当たりの黒33に白反発もできたが、ここは大人しく白34の抜き。
 □黒35押さえ〜55は双方いいかげんの別れ。
 □先手を得て白56は衆目の一致する大場。
 □白58は張栩ならではの厳しい狙い。
 □黒73でハネ出しは参考図Cで、黒から一ノ1に放り込む二段コウになり、黒に適当なコウ材がない。この図は案外穏やかな別れ=生き生きになって黒不満だろう。
 □白88で参考図Dなら穏やかな生き生きだが、この図は黒不満無いだろう。
 □それで白88と突っ張った。
 □しかし、黒89とハネられると、参考図Eの進行が必然。この図は白が隅、黒が中央一帯を取るフリ替わりとなるが、武宮は「白(黒89を)見損じた⇒白失敗」説、加藤は「難解な中盤戦に逆戻り⇒形勢不明」説と分かれたが...。
 □白90が封じ手。
 □左上の攻防は白94までで一段落。しかし白58の深入り以降の攻防を振り返ってみると、白は最初左上にあった黒地12目をゼロにして、なおかつ左上隅を黒からの一手ヨセコウで12目の白地がつく可能性を残しているものの、左辺にあった白地数目が91の切断によって半分取られて先に黒地が17目ばかり与えていることを差し引くと、これは白のやりすぎだったということになる。
 □碁はこの後右辺から左辺、そして中央へと戦いを続けていくのだが、黒は左上で得た余禄を意識して終始固め固めに打っている気配がある。
 □白も又、左上の損失を意識してかきつめに打っていたが、遂に届くことはなかった。
 □結局、この碁は左上の攻防が全てで、黒は左上で得た貯金をうまく運用してその後の折り合いをつけていった、といえるだろう。その意味では、結果は半目だが、永遠に縮まらない厚い半目勝負だったといえるだろう。

 参考図A 白10ケイマシマリの受けは黒大ケイマ開きで黒良し






 黒模様は全局的に立体的で好ましい。

 参考図B 白20普通は二間開き






 白20はこの二間開きが最も常識的。

 参考図C 黒73でハネ出しは黒から一の1に放り込む二段コウだが、初劫にコウなし






 黒87に放り込む二段コウはすぐに取られて、黒から適切なコウ材がない

 参考図D 白88で左辺を逃げておけば穏やかだったが






 この図は左辺の白が目なしで中央に逃げ出すだけで(黒は隅、上辺ともに完全な生き)不満だったか?

 参考図E 白88突き当りは難解な攻め合いに?






 黒89に取りと必然、以下隅の白、左上一帯の黒とフリ替わりになるのが加藤説。
 








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2006年09月05日

第15期竜星戦決勝トーナメント1回戦 ▲趙治勲十段対湯川光久九段 173手完黒中押し勝








 □右辺で始まった戦いは、趙黒15と隅の地を取り、黒17とハサんで右上を盛り上げ、更には黒19、21と中央の一子も担ぎ出す。要するに“みんな打ってしまう”趙ならではの流儀で、これが藤沢などには「垢抜けない百姓のような打ち方」と映るのもやむをえないだろう。
 □以下黒37、白38と中央をトんだところで、趙は黒39と下辺をケイマに構える。あっちも、こっちも、という貪欲ないかにも趙らしい打ち方。
 □白40のボーシは中央黒の手抜きを咎めて“この一手”。
 □ここからの両者の応酬がなかなか見応えがある駆け引きが始まる。
 □黒45のツケに白は46〜52で応える。黒53では参考図Aのように下辺の白一子をシチョウに抱えたいところだが、そうすると中央が破れて無理と見て自重した。
 □黒53〜57で中央で優位にたつが、白も56、58で右辺からの白大石が左下と繋がり、大きな地をもって安定した。黒47の一子はこのままで取られているのが白の自慢。参考図Bがその証明。
 □黒61から新たな戦い。白62〜72まで黒の実利と白模様と対照的な別れに。
 □黒73から白模様の中の一子をすぐに動き出すのは趙の真骨頂。だがコウ含みで99までとなった図は黒は小さく捨ててポイントを稼いだといえる。
 □左上の別れは、部分的には白地は小さくはないのだが、白は一手余分に手をかけているのでそんなに効率が良いともいえないのである。
 □その間に黒は左下に91とカカリ、右上も味よく99と止めているのが大きいのである。
 □このままでは地合いが足りないので、白100、102、104と最強に頑張る。
 □それに黒111と真正面から応戦、右下の白の一団の死活が焦点に。
 □黒115からの攻めに白116から128が見事なシノギ。
 □となれば、左下の黒四子が取られているのが大きく、白優勢である。
 □黒129はは必死の頑張り、左辺の白と刺し違える覚悟だ。
 □左下の攻防で、白140が頑張りすぎ、黒141が利いては一筋縄ではいかなくなった。白140では参考図Cと着実にダメを詰めておけばこの黒は取れていた。
 □黒173となっては攻め合い白負けである。
 □かくして黒番趙は辛くも再逆転した。

 参考図A 黒53で下辺抱えは中央が破れる






 黒が53と下辺をシチョウで取っていると、中央が白56〜62で二子シチョウと切りが見合いで黒の“つぶれ”に終る。

 参考図B 黒47の一子は逃げても“カケ”で取られ






 黒47の一子はこのままで動けないのである。

 参考図C 白140は着実にダメ詰めで白勝ち






 白140では黒の眼の急所のダメを詰め、左辺の渡りは相手にせず、隅からダメを詰めていくのが良い。なまじ他のところから打っていくと、左下隅の寄せコウにされて、右辺の白の生きにコウ材が多いのでコウは負けになるので注意が必要である。





 



posted by 蔵山車理恵蔵 at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月03日

第15期竜星戦 決勝トーナメント1回戦 ▲河野臨天元対小林覚九段 265手完 黒半目勝








 □河野天元は小林光一九段の門下だけあって、地味な棋風(失礼な言い方だったら謝る。m(_ _)m)の筈だが、この碁では黒5と二間高ジマリと構えて模様で一局打ってみようという趣向。
 □黒5が(よくある)小ゲイマシマリなら白6の割打ちは右辺反対側の星下R-11(黒7のところ)にうつことが多いのだが、実戦は白6、8と右下星寄りに二間開きにいった。これは黒9とコスミツケられて二立二石になり、昔なら絶対に打たないところだったが、碁の考え方は変化しているものと見える。あるいは小林覚はあえて河野臨の師匠の小林光一流(星に小ケイマにカカって、ケイマに受けられた時、スベリは保留して単に二間に開くあれ)を採用して河野を挑発しているのかしらん。
 □う〜む、白12も特異な打ち方だね。このあたり、両方ともにあおきレベルでは意味不明である。
 □黒が右上は受けず、13、15と左上に展開する。
 □白16〜48と右上の黒模様を荒らして逆に実利を稼いでしまった。
 □ただし右上は白が二手余分に手をかけていて、しかも後手。いいかげんの分かれか。
 □黒は、その先手を右下49のカカリに回す。ただし、50のケイマ受けに黒51、53と位を保ち、白54の絶好のハサミをあえて許す。
 □黒55〜白62と黒は白に左下隅の実利を与えても模様で勝負する構え。
 □黒63と白64を交換して、左辺の黒を安定させた上で、黒65と意外な所=右辺白模様の真ん中に打ち込んでいった。ここの白を脅かしておいて、本当の狙いは左辺の白三子である。
 □白66に黒67〜87と左下の白三子に襲いかかる。
 □トッププロ同士の一戦では激しい戦いが起こり、どちらかがツブれそうになっても、不思議といい勝負に収束することが多い。
 □この碁も、白88〜102と白が二子を犠打にしてシノギを計れば、黒も107まで左下の石を手厚く生きる。
 □こうなれば、後は最早ヨセである。
 □白108〜112は最後の大場。
 □黒113の左下隅打ち込みから黒149まで、双方ギリギリところで先手争いの傍ら、シノギ合いながらの必死のヨセの攻防が続く。
 □白150、152〜158と中央に覇権を称えるが、黒159〜白178と黒先手で荒らされては白辛いか。
 □しかし、黒183を先手で利かし、185と右上手止まりのところへ回ったのは黒“出来杉”君だ。ここは参考図Aのようになるところで、この図は白勝ち。だから白184の“正直な”受けが白の敗着。だから、黒183では右上を打つところで、こうなれば勝負の行方は分からなかった、筈だ。
 □城242の逆ヨセの意味も良く分からない。白は勝っているものと見て、固く打ったのか?
 □結果は265手完黒半目勝。

 参考図A 白184では右上の噛み取り7目半が最大ではないのかい?






 黒183に実戦のように184と受けるのは気合いが悪い。この右上は量後手約7目半で盤面最大ではないのか?続く185、187が先手だとしても、元に戻って183は相手が受ければ両先手2目だが、受けなければ両後手6目+α(黒からは中央の打ち方次第で、ハネツギが後手三目になる余地がある)の手ということで、右上のほうが同じ両後手なら価値が高かった。従って黒は183で、右上の噛み取りを打つべきで、すると白は183のコスミを利かし、そこで黒が腕組みをする、という展開ではなかったか?




posted by 蔵山車理恵蔵 at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第54回NHK杯2回戦 矢田直己九段対羽根直樹九段 161手黒中押し勝








 解説:石田芳夫九段
 □白4の小目は急戦といえる。星やR-4の小目なら穏やか。参考図A、B。
 □実戦の白4の小目は、右下が急場、残る3隅は大場となる。従って必然的に黒5は急場の右下に向かうことになる。参考図Cがその証明。
 □黒5を受けて白6と右上に打ち白は忙しく立ち働いて急戦志向。
 □最近流行の黒7二間高バサミに対し、白8〜黒17はどちらかというと白のペース。実利は与えても先手でぼんやりとおさまった。
 □18は難しい。というのも、右上の白はおさまったといっても“ぼんやりとした”中途半端なそれであるので、上辺の孤立したかに見える黒7に対する急な攻めはない。つまり、なまじ参考図Dのように攻めたてても、困るのは白の方だ。
 □で、白18とぼんやりと打った。
 □黒19は当然として、白20がなかなかの一手。
 □黒21〜白32は黒屈服ではないか?黒11と二線の引きといい、羽根は相手の注文に乗っかって平然としている、かに見える。(あおきではない。石田Pがそう言っているのだ)
 □白34の打ち込みに対しても黒35〜41の受けはおっとりしすぎではないか。白42が好点で、左右の白が繋がるようなことになれば「白負けなし」と石田Pのご託宣。
 □黒43〜49も大事の取りすぎでバランスが悪い。後手を引いてしまった。
 □白は50に構えてワンポイントリード。
 □黒51〜55も黒方向がおかしい。白が先着している右辺はダメ場なのだ。白56は手厚い一着。「白、優勢を意識しているか」と石田。「しかし、優勢を意識すると、着手がヌルくなることがあり、難しい」とも。
 □白が手を抜いた右下(白は56の時点で右上の石の繋がりを重視して、ここ右下はサバけばよい、と思っている)に、黒57〜63と攻めかかるが、白64が彼我の地模様の必争点。右下は手を抜いても急な攻めは喰らわない、と読んでいる。
 □事実白68に黒手を抜いて69と左辺の大場に回った。白70と更に稼いで、左辺の白に急な攻めが無ければ、白はっきり優勢だ。
 □黒71から73に白74、76が強烈な反発。「すごい手。でも、白が良い、とは限らない」
 □とまれ黒77〜85まで、左辺白、上辺黒と一種のフリ替わり。
 □白86がどうだったか?白86は孤立した右辺白の守りであるが、上辺に比重をかけ過ぎているキライがある(白94のスベリ以下右下の黒の攻めの間にシノいでしまおう、という魂胆だが、右下の白も決して完全な生きではなく、白は右辺と右下の絡み攻めを喰らうおそれが出てきた)。
 □だから、白86は次に黒が打った87が良かった。ここが形の急所でもあり、黒模様が出来かけている中央への牽制にもなっている一石二鳥の手だった。
 □案の定、黒87からの攻めは熾烈を極める。
 □黒93となってみると、中央に黒模様が出来て来ているのが気にかかる。
 □白94が白のかねての狙いだが、白104が手順を誤った。ここは参考図えと様子を窺うところ。
 □白104はここの白が生きようというだけの手。黒手を抜いてそんなに大きな被害はない。
 □それで、黒105〜白108を利かして黒109に回っては、ここ右辺の白の大石に生きはない。
 □それで、白投了もやむなし。

 参考図A 白4右下星なら穏やか






 この図なら、右下は打ち切り。従って大場は右上(シマリ、orカカリ)、左上(シマリ、orカカリ)、左下(シマリ、orカカリ)と奇数残っていて、先番の黒が3つのうち2つ打てる理屈で、先番の黒の有利は続いている、とも言える。

 参考図B 白4右下並行シマリ






 これだと、大場は4つ残りで最も平穏無事な布石。

 参考図C 黒5で右上のシマリは白6と打たれて白良し






 白6となると、黒白同数の石が盤上にあって形勢互角でなければならない筈なのに、黒三子が上辺に偏しているのに対し、白は右下の小ゲイマシマリの切っ先が上辺の黒を睨んでいて、下辺の白模様も上辺の黒のそれに比較して立体的であり、この次点で盤面は白有利になっている。「次の手7が黒番だとしても、コミ6目半をカバーするのは不可能」というわけだ。従って、黒5で右上には打てない、ということになり、盤上唯一の急場である黒5右下のカカリが必然となる。

 参考図D 白18で黒7に対する急な攻めは無理






 白18でハサんでも、弱石が黒1対白2なので、白不利な戦いは免れない。

 参考図E 白104では右辺に一発切りをいれておくところ






 白104は先手。黒は左下を生きなければならないので、黒がどう打っても右辺か右下の白の生きに役立っている。黒105、107なら白は108の切りに回って、この白はシチョウに取れないので右辺の白は生きる。そこで黒109で右下の白を攻めても、例えば参考図Fで、白は楽生きである。

 参考図F 黒109で右下の白を攻めても白は楽生き






 こんなにうまくいくとは限らないが、白104で実戦のように差込みではなく、このような切りをいれておくと、それがなにかの役に立って、右下の白は生きるのに不自由はない、ということらしい。









posted by 蔵山車理恵蔵 at 14:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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