2006年09月26日

第15期竜星戦決勝トーナメント準々決勝 △河野臨天元対▲彦坂直人九段 259手完 黒3目半勝








 解説:王立誠九段
 □「両者ともに本格的な棋風なので、細かい勝負になりそうです」と解説の王立誠九段は無難なことを言う。
 □確かにオーソドックスな布石が続く。
 □白16では流石にハサんだ。
 □白24が河野流か。下辺は手を抜いてもすぐにどうということはないが、参考図Aの詰めは黒絶対先手で厚く、白窮屈と見た。
 □それで白24と下辺の実利を取って黒25のボーシは甘受してアマして打とうという白の作戦である。
 □黒25以下45まで左辺の黒と白の鍔迫り合いが続く。途中白36はやや疑問かも知れない。参考図Bが優った。というのも実戦の黒37〜白44と急所に迫ったのが厳しく、白は一気に薄くなっている一方で中央の黒は猛烈に厚い。
 □ただし、ここ(左辺)の折衝はどちらかというと黒が攻勢気味とはいえ黒45まで黒は後手。
 □そこで白は白46の大場を占めてこれで一丁来い、と言っている。
 □黒47といっぱいに詰めて白48を誘い、49、51とアテツグ。
 □白52のハサミ返しの逆襲は譲れぬ所。
 □とすれば黒55〜61の攻めがきつく、白70までの生きはやむを得ない。
 □そこで黒71の構えが上辺を割りつつ中央の黒石の強化になっていて白72の開きによる上辺の白地にも立派に対抗している。
 □黒73、75が最後の大場で、黒悪くないようだ。
 □白76〜90まで大ヨセ。
 □黒91が不用意な切り。ヨセの碁は一気に中盤に戻った。
 □白92のノビキリは当然の反発で、真正面から戦いを挑まれては黒93と逃げ出すしかなく、局面は急に険しくなった。
 □白は106、108とキズを補強しながら黒を攻める。白は中央への寄り付きに勝負をかける。
 □白132、134でコウになった。
 □さすがに黒もこのコウは争えず、黒143とツグしかないが、結局黒149まで二眼にされて、上辺の黒二子取り(7目の価値)が残った。これで黒のリードは消え去り、形勢不明とみえたが...。
 □白150からはヨセ。
 □ヨセは白150サガリ、白166(損のない上手い)置き、白172、174の懸案の7目の切りなど白のほうにポイントの高い所が残っていてデカシテいるよにみえた。
 □ところが、その一瞬に見せた黒175〜177の置きが白のダメヅマリを衝く鋭い切り返しの手筋一閃だった。白は泣く泣く178のツギで応じるしかなく、黒179のワタリが逆ヨセ16目のデッカイ手で上辺の白地を荒らし、大逆転とはなったのである。

 参考図A 白24下辺手抜きは黒27が鬱陶しい






 黒23に下辺を手抜きして白24、26と左辺の白を攻めようとしても、黒27の詰めは左下隅の黒は這い込みからの白死にがあって絶対先手なので得にならない。

 参考図B 白36はぼんやりと中央トビ






 白36ではぼんやりしているようだが、このようにぼんやりと中央へとんでいるほうが優った。黒も二ヶ所に弱石を抱えているので白を急にせめることはできない。






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2006年09月24日

第54回NHK杯2回戦第7局 △神田英九段対▲山下敬吾棋聖 223手完 黒中押し勝 2006.9.24OA








 解説:武宮正樹九段
 □黒1、3、5と目外しを連続してうつのは、山下の得意とする打ち方のひとつ。
 □黒7と変則にシマリ、白8には黒9〜13と左辺に比重をかける。
 □黒15に白16は当然の厳しいハサミ。参考図Aでは黒が悠々としていて白甘い。
 □白18は下辺重視もあった。参考図Bである。
 □白18〜黒25となって、白は先手を取り、右辺26コスミ付けが厳しい。
 □黒27とかわし、白28、黒29と各々自分の道を進む。
 □白30は一局の岐路だった。参考図Cは武宮Pのお奨め。いかにも武宮らしい、スケールの大きい構想である。
 □白30となれば黒31〜37はいわば必然。参考図とは反対に荒らしあいになった。
 □白38〜40と寛ぎ、ヨセ勝負の予感。
 □白42と黒43の交換が微妙なところ。
 □白44〜55と上辺の白、黒ともに二眼はない。双方それを意識しながら中央進出する。
 □白56は逆ヨセ(黒56と打てば先手で上辺の黒は生きる意味がある)で厳しい一着ではある。しかし、武宮は参考図Dを推奨。
 □白56にも、黒は57、59とおとなしい。となれば白60とケイマして白好調。
 □白66はあわよくば上辺の黒の眼を奪おう、という厳しい手だが、自分も薄い。黒67〜69を利かされ、71とシチョウ当たり。
 □勢い、白72黒73と大フリ替わり。
 □白74〜黒83はこんなところ。
 □ここで白は自らの傷は後回しにして、84と上辺の黒の攻めを優先させる。
 □黒もひるまず、85、87の逆襲。
 □白88〜96はまあ必然。
 □黒中央の大石同士は双方急な攻めはないと見たか、手抜きして99のツケ。白の宝庫である右辺を荒らしながら中央をシノいでしまおう、という勝負手である。
 □白もおとなしく受けてはいられない。白100〜108と反発し大石ふたつ同士の猛烈に激しい攻め合いだ。
 □ここで黒109の差し込みが疑問だったか?武宮は参考図Eと受けていて、困るのは黒の方だったと指摘。
 □それを白110と力んだため、局面は紛糾してきた。
 □黒117が利いているのがミソで、下辺はほぼ止まり、黒上辺生き、となれば普通の進行だった。
 □それを、利かしとばかりに、黒125とノゾいたのが黒の見損じ。参考図Gでここの黒は全滅していた筈。
 □なのに、白128と打った。結局右辺の黒は生還し、かわりに白は下辺を破った。
 □この結果、黒は上辺を生き、白はまだはっきりとは生きているとは言いがたい。とすれば攻め合いの最中に黒99と右辺に手をつけて白地を削減した黒の無理気味の勝負手の言い分が通ったことになり、形勢は黒良し。
 □この後、白140〜黒223と百手近くヨセが打たれたが、黒有利の形勢は動くことはなかった。

 参考図A 白16一間受けは白甘い






 先手を得た黒は17以下、右辺から右上にかけての戦いで主導権を取る。

 参考図B 白18下辺押さえ






 白18とこっちを押さえるのもあった。これはこれで一局か。どちらかというとこれは穏やかな碁になる。勝負を先に延ばしている。

 参考図C 白30でボーシ






 白30が武宮Pのお奨め。これは実戦と違い、模様の囲い合いになる。

 参考図D 白56宇宙流






 白56〜58がいかにも武宮らしい。白66などとなれば右辺〜中央への白模様は確定地だろう。となれば、黒はこうなる前に一仕事せねばならず、白有力な方法だったかもしれない。

 参考図E 白110はカケツギ=切り狙い






 白は110カケツギで良い。その後のことは武宮Pは言わなかったが、あおきが想像するに、黒111ツギは図の進行を辿り黒破綻だし、かといって参考図Fも無理。

 参考図F 黒111で右辺を打っても手にならない






 黒111で右辺でもがいても何程のこともない。結局黒は上辺の生きに戻らねばならない。すると、白は悠々と下辺〜左辺を荒らしながら生きて、楽勝ムードだ。

 参考図G 白126アテで右辺の黒は全滅






 黒127切りは白128でここの黒は全滅していた。
















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2006年09月20日

第31期名人戦第2局 △高尾紳路本因坊対▲張栩名人 210手完 白中押し勝 2006.9.20-21








 解説:河野臨天元(NHK BS2)、王銘ワン九段(朝日新聞解説)
 □黒5、7を利かして、9とシマる。
 □黒11とひとつ利かしたのは、左上で白14の時押し切ってくる場合の対策=シチョウ当たりになっている。参考図A
 □黒16〜31と右上一帯で相互に安定を計りつつ、双方先手を取って最後の大場=右下に回る算段をしている。
 □だから、黒25、27も白28、30も、右上は少々損をしても手っ取り早く切り上げ、先手を取って右下へまわるための工夫である。
 □そのことは、逆にいえば、先手を取って下辺に回ることが最優先されたため、ここ右上での着手は双方ともに、やや“その場シノギの安普請”の観がいなめなくもない。
 □局後、大竹九段(立会人)は相互にお手軽な手が続くやりとりの中で、白22のスベリが実質出入り30目をはるかに越えたハタラキをしていることを指摘している。結果論ではあるが、その後双方戦いらしい戦いがなく、白104からヨセにはいってしまったことから、遡ってこの白22を勝着と断定している。
 □河野天元に至っては、BS2の二日目の午前中の解説で、それ以前に黒の戦略的ミスを求め、(黒11を利かしての)「黒13、15の動き出しが時期尚早」ではなかったかと、問題視している。
 □つまり大竹、河野両者共に、白32に回っては白が既に面白く、それ以降黒の勝機はなかった、と(暗に)認めているわけだ。
 □とにかく白は先手を取って下辺32のハサミに回った。
 □黒41は参考図Bとなれば普通。実戦は左下隅一帯の黒模様の拡大を優先した。
 □右下の黒は下辺の白と相殺して、一緒に中央へ逃げ逃げで充分とみている。いかにも張栩らしい“韋駄天”ぶりだ。
 □黒41に続き、黒51とまたもや右下の黒には手を抜いて左辺〜左下隅の黒の地模様を固める。
 □右下の黒はシノぎさえすればよい、という黒の作戦だが、右下の白地も膨れ上がってきていて右下の黒の生き方が問われる局面だ。
 □黒55がサバキの手筋。参考図C、Dが黒の狙い。
 □白56は最強の反発。
 □勢いの黒57、59、61に白62と穏やかにツイだがこの進行は白やや不満、かもしれない。参考図Eと中央を切断しておけば白分かりやすかった、というのは控え室の意見。というのも実戦は下辺の白全体がまだ治まっておらず、黒67切りから新たな戦いに突入したからである。
 □もっとも、この黒67が問題だった、という見方もできる。というのは白66となった段階で下辺の白、右下の黒は「双方ともに完全に生きているわけではないが、同時に敵からの急な攻めもないところ」でもあるわけであって、そこで先手の黒は67と切ることによって戦線拡大をもたらした、ということでもある。ところがその黒67の結果は「右下の黒は81で生き。下辺の白は98で生き。ところが、黒67からの数目は中央で孤立しており、しかも下辺での黒67以降の戦いが黒103まで黒の後手で終わった」ことになる。
 □その黒67〜103の結果、@下辺の白は小さく生きた。右下の黒は下辺の白に比べてやや大きく生きた。これを比較すると白<黒であるただしその差は微小。A黒は41、51など右下の黒を放置して左辺〜左下隅に45目の地を得た。しかし、白も右下に30目の確定地を得ている。これに左上隅、右上の白地を足すと黒に劣るとはいえないBそして何よりも大事なことは黒103で中盤戦は終り、以下はヨセだが、そのヨセの急場ともいうべき上辺白104の打ち込みを白が得たことが決定的にでかいのである。
 □黒は105から、必死になって中央の白に喰い付こうとするも、結果は不発。逆に黒121まで白は無傷で左上に繋がってしまい、黒はといえば上辺と中央がつながっただけで、その地は計3目もない。
 □白122以降は石の生き死にに関係のない地味なヨセで、盤面勝負の気配濃厚だ。
 □というわけで、この碁は「黒13敗着、白22で形勢白良し。白32は勝利宣言。それ以降は打ってみただけ。」ということになった。






 参考図A 黒11はシチョウ当たり






 黒11と右下にひとつかかっておくのは、黒13と引いた時、白が強引に押し切ってきた場合のシチョウ当たりになっていて、黒21からのシチョウが成立する。

 参考図B 黒41ではともかく右下の治まりが先決だが






 この場合、白42で下辺に堂々と治まられてみると、左下の黒模様がかすむ、とみた。

 参考図C 白56オサエはかえって危険






 黒57〜65と突き抜かれると、白66と黒67が見合いで白陣は破れてしまう。(白66で67につげば、黒66で下辺の白は死んでしまう)。かといって、白56で下をハネるのは

 参考図D 白56下ハネ






 黒57〜67ときれいに絞られてこの図は白最悪。

 参考図E 白62は切り






 黒71まで黒を左辺と連絡させても、中央のラインを白が制しているのが魅力で、白72と下辺もはっきり生きては後手でもさほどの不満はない。











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2006年09月18日

第15期竜星戦決勝トーナメント準々決勝 △結城聡竜星対趙治勲十段 208手完 白中押し勝 








 解説:王立誠九段
 □右下で起こった戦いは黒17〜21までお互いに一子を取り合って一見穏やかな振り替わりのようだが、後にここが大事件の火薬庫となる。
 □白24〜30と互いに大場を打ち合う。
 □しかし、黒31打ち込みから左上白の勢力圏内で趙は暴れるが、黒は苦しい戦いを強いられる。
 □白66の二段バネに黒37〜白72と再び派手なフリカワリを演じる。このフリカワリはほぼ互角だろうという。白70でノビは参考図Aで白の勢力圏内で黒寛いで白良くない。
 □黒は中央で一子ポン抜いた厚みを背景に、右上の白の三間開きの真ん中に黒73と爆弾投下。狙いは右辺全体での制空権とデカイ。
 □白は76ツケから右上隅の実利を取る。
 □白87では黒90のサガリと97の抑えの二択だが、その前に黒87、89と右下で様子見をしたのが趙の“はしこい”所。
 □黒89に受けていると下手をすると後手を引いてしまうので白90ワタリは気合い。
 □すると黒も91、93を利かして右下を連打またもや華麗なフリカワリになる。
 □白96と沿い上げるのに、黒も99と右辺の白数目を分断、右辺を大きくまとめようとする。
 □白100〜112と右辺の白をたすけつつ中央の黒に襲い掛かる。
 □黒は中央の黒を逃げていると白の注文にはまってしまう。
 □それで、中央の黒はいったん死んだフリをして、黒113〜125まで右辺の白を取り込み、60目の大きな地を完成、中央はシノギ勝負に出る。
 □黒129〜155と上辺はコウになった。
 □しかし、コウダテは白が多い。
 □結局黒は171、173と連打して、白のコウツギ、178の上辺取り切りと替わる。百目の白地が出現する。
 □黒は179から下辺の黒地をまとめようとするが、白194までと下辺の黒地は値切られる。
 □白208までとなると、次は黒は左辺を後手で止めなければならない。
 □地合いは盤面でイーブン。次は白番で右上の噛み取り8目と右下の取り8目が見合いであとはこれといった大きなヨセが無いのでは、黒投了もやむをえなかった。
 
 参考図A 白70ノビ






 白70ノビは黒71とカケつがれて黒は眼形豊富で生きるのに苦労しない。


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2006年09月17日

詰碁








 白24となったところで、黒先で生きよ、という問題。ヒントは「黒23のハネ一本が命綱」
posted by 蔵山車理恵蔵 at 20:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

NHK杯2回戦第6局 △黄翊祖七段対▲依田紀基碁聖 133手完 黒中押し勝 2006.9.17OA








 解説:王銘ワン九段
 □解説の王銘ワン九段は「黄翊祖七段はじっくりとした碁を打つタイプ。黒番の依田紀基碁聖といえども、楽に勝ちきれる相手ではない。」と言ったが、結果はそうでもなかったようだ。つまり、黒番の依田が第一コーナーから圧倒した。というか、競艇のように第一コーナーで差してカーブを曲がると、そのまま一直線にゴールまで逃げ切ったのである。
 □とまれ、黒の低い中国流に対して白6と下辺を割り打った。この碁は、白の投了が133手と早く(通常は250手位の数え碁になることが多い)、40分近く感想戦が続けられ、勝負がついたと思われる白66〜77のあたりから検討が始まり、それは段々と遡っていって、遂には白6の是非まで及んだ。参考図A、Bである。が、こんな早い段階で碁の良し悪しが決まるものでは、無論無い。
 □黒7〜10はこんな相場。
 □ここで黒11ツケが機敏。
 □白も12ハネから、白14と深い打ち込みで反撃。
 □勢い黒も15と切って激しい戦いが起こる。
 □白16〜22(後の黒37白38の必然の交換があるものとして)は白下辺と右下隅の両方を打ってでかしているようだが、黒も21のツギから上辺の星を23と占め、右上の黒模様のスケールが大きく、もとより不満はない。
 □局後の検討ではこの右下のあたりも盛んに研究していたようだが、このあたりも下辺同様変化図は多岐にわたり、容易に結論が出るものではない。
 □白24〜黒35はひとつの判断。良し悪しは言うべくもない。
 □白36〜40と、右辺の黒模様を遠望しつつ、相互に左辺を決めていく。
 □黒41と、ここから右辺の模様を広げてきた。
 □白42、44の利かしは先手にならず、この際問題だったかもしれない。あるいはこれが、敗着か?
 □というのも、白42、44に受けずに黒45の二間トビがあまりにも絶好点だった。
 □左辺は白46〜黒53となって何事もなければ、黒45の切っ先が光っている。
 □白54〜60は必死のところ。
 □黒61は参考図Cのところ。
 □黒61と中央を厚く打った結果、白62と左下を備えて地合いのバランスが取れて、碁は白中央のシノギ勝負になった。
 □白64の逃げ出しはスピードに欠けるきらいがあり問題(これで中央の白と左上の白が繋がっているわけではない)。
 □白64では良かれ悪しかれ参考図Dと黒模様の中で居直り、暴れるべきであった。
 □黒65と芯を止めて、右辺の黒模様が大きくまとまった。
 □白66〜黒99とこのラインがしっかり止まっては白の勝ちはもうない。
 □最後は左上隅の黒109の打ち込みが成立し、左上隅の白地が破れては、勝負は決定した。

 参考図A 白6右下ツメが最近の流行






 白6、黒7、白8(高い四線の大ケイマもある)となれば、右辺の中国流を比較的低いラインに押しこめて、自らも下辺に安定した勢力を保持し、この交換を白の利かし、と見る。あるいはこの図を嫌って、黒7では参考図Bの反発もある。

 参考図B 白7で反発してハサミ






 白7では反発して、ハサミから戦いが下辺で起こるケースもある。これは序盤早々の乱戦になり、どちらもこわいか。最近の棋聖戦などがそうであった。無論、結論が出るわけではない。
 
 参考図C 黒61では下辺打ち込み






 左下は63のハネ出し、あるいはその右下のノゾキ(肩ツキ)の味があり、おそらく先手になったものと思われる。だから、この61の飛び込みを先手で利かし、下辺を割っておくのが大きかったのだ。

 参考図D 白64では黒模様の中で居直る






 実戦の白64と左上へ逃げるようでは、同じく実戦の黒65でこのラインで黒模様がまとまっては(黒地60目、ここだけで全体の白地に匹敵し、左下の黒地の分、黒良し)敗勢は必死。だから、生死半々でも、この図のように黒模様の中で居直るしかなかった。仮に白78までとなれば、この白は死なない。





posted by 蔵山車理恵蔵 at 14:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月10日

第54回NHK杯2回戦 △長谷川直九段対▲小林覚九段 196手完 黒13目半勝 








 解説:武宮正樹九段
 □白6の割打ちは面白い手。長谷川は過去に一度打ったことがある、と言っていた。武宮はやたら評価していた。
 □黒19まで左辺は黒が戦いの主導権を握っているが、白は20と外してみると、黒19の腰が低く、黒の振り上げた拳が空転可能性もある。
 □というのは、白は6、8が軽く、今のところ死んだ振りをしている白10も不気味ではある。
 □黒21〜25と攻めを続行するが、白は26、28、30を利かしておいて、又もや手抜きで白32の大場に。左下隅はあたら抵抗しても格好のよい受けは見当たらず、それならいっそ徹底的に手抜きしても、死にはない、と居直っている。
 □白26では後手でも参考図Aのように治まっておくのもあった。
 □黒31は参考図Bが正解。従って白30は生意気だった。
 □だから白32では機敏にツケコシから左辺に手をつけていくべきであった。参考図C、これは白勝ちの図であった。
 □それなら黒も33〜白40と先手で白を左下隅に封じ込めて事なきを得た。
 □戦いは右上に移って黒41〜45の時、白はこの碁三度目の手抜きで、右下46へ。
 その後、黒47、白48、黒49と双方大場を打ち合ったかにみえるが、白48では右辺よりも、下辺が急場だった、と小林覚九段。参考図Dである。従って黒47でも下辺が急がれた。
 □その意味で、黒50は実戦よりも、一路高い四線がバランス上優った。
 □白54、56の切り込みをゆるしては、黒はせっかくの局勢をリードする機会を逸して、ここまでイーブンか。
 □だが、黒57の時、白は四度手抜きをして右上に回る。
 □白58〜70となって、白は右上、左上、下辺と三ヶ所で地を稼いだが、黒は67、69の切りノビがその後の73、75とあいまって厚い。こうなれば、中央の黒模様は巨大となり、地模様の様子を呈してきた。
 □だから、白64ではやはり普通に参考図Eに従うべきであった。
 □黒67、69は厚い。こうなっては双方先手の黒71には白は回っている余裕がない。(白が70で71のところを当てても黒手抜きで下辺の二子取りにまわり、白抜きには黒18の上を押さえて何事も無い)そんなことより、黒73、75となると中央の黒模様がでっかくふくらんできた。
 □76の消しは黒の53と77を結ぶ黒の生命線からほんの僅か外に出ている。つまり、その分遠慮があった。ここでは参考図F、Gのところまで、あと一歩踏み込みが必要だった。
 □局後黒の長谷川は「(実戦の白76のところで境界線を引いて)細かいと思った」と語っている。実戦は結果13目半の大差に終わったが、黒は右辺のミスで6目、右上の両ハネツギで4目、左上で1目とヨセで明らかなミスを3ヶ所計11目犯しているから、実際は2目半の差になる筈であった。この2目半を僅差と見るか、プロなら大差と見るかは意見の分かれる所だが、いずれにしても負けは負けである。

 参考図A 白26では切りもあった






 これは、いかにも武宮らしい正々堂々とした打ち方である。白は白26のサガリがあって、隅のハネという楽しみがある。

 参考図B 黒31はトビが正着






 黒31〜45となれば、隅の19目の白地より、黒の外勢が優る。従ってその前の白30は無い手。

 参考図C 白32ツケコシから軽サバできていた






 黒35で白32の一子を噛み取れば白は黒19の下の当て返しからカケツギが好形だし、黒が抵抗して35にノビっれば攻め合いだが、白はいつのまにか左下を白64まで生き形にしてしまった上、左辺の花見コウのおまけつきでは勝負はあった、ということになる。

 参考図D 白48では下辺が急場






 白のことだけを考えれば右辺に実戦の白48と鶴翼の陣型となって良いのだが、この碁では左辺一帯の黒の模様の消長が一大問題であって、それを牽制する白48である。黒49と右辺を連打しても白50、52とツメて、黒の壁を棒石にして攻める勢いが優る、というものだろう。したがって、その前の黒47もやはり、下辺が急場だった。

 参考図E 白64では普通に押さえノビ






 これなら、おだやかな進行で、これからの碁だった。

 参考図F 白76ではあと一歩踏み込んで天下分け目の決戦






 白76ではここまで踏み込んでいかなければ勝負にならない。黒79のカケは無理気味だし、

 参考図G 79受けが生命線






 この白79が黒のデッドラインだろう。以下白80、黒81、白82と双方譲れぬ一線。白も恐いが、黒はもっと恐い。















posted by 蔵山車理恵蔵 at 18:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月08日

第31期名人戦挑戦手合七番勝負第1局 △張栩名人対▲高尾紳路本因坊 269手完黒半目勝2006.9.8/9








 解説:武宮正樹九段(NHK-BS2)、加藤充志段(『幽玄の間』)
 □白6とシマって、黒7の両ジマリを許す。かっては「黒に両ジマリを許しては白不利」とされていたのが、大ゴミ=6目半の時代となって、考え方の変わってきている、と武宮正樹九段。
 □白10でケイマシマリの受けは参考図Aで、黒がのびのびとしていて良し。
 □従って、白10(とは限らないが)のハサミは当然。
 □黒11三々入り〜19は穏やかな選択。
 □白20は普通は参考図B。実戦の白20は頑張った手。
 □黒21で、O-16やR-14はやや“利かされ”。したがって実戦の黒21は最も頑張った手。
 □白28黒29は利かし。
 □シチョウ当たりの黒33に白反発もできたが、ここは大人しく白34の抜き。
 □黒35押さえ〜55は双方いいかげんの別れ。
 □先手を得て白56は衆目の一致する大場。
 □白58は張栩ならではの厳しい狙い。
 □黒73でハネ出しは参考図Cで、黒から一ノ1に放り込む二段コウになり、黒に適当なコウ材がない。この図は案外穏やかな別れ=生き生きになって黒不満だろう。
 □白88で参考図Dなら穏やかな生き生きだが、この図は黒不満無いだろう。
 □それで白88と突っ張った。
 □しかし、黒89とハネられると、参考図Eの進行が必然。この図は白が隅、黒が中央一帯を取るフリ替わりとなるが、武宮は「白(黒89を)見損じた⇒白失敗」説、加藤は「難解な中盤戦に逆戻り⇒形勢不明」説と分かれたが...。
 □白90が封じ手。
 □左上の攻防は白94までで一段落。しかし白58の深入り以降の攻防を振り返ってみると、白は最初左上にあった黒地12目をゼロにして、なおかつ左上隅を黒からの一手ヨセコウで12目の白地がつく可能性を残しているものの、左辺にあった白地数目が91の切断によって半分取られて先に黒地が17目ばかり与えていることを差し引くと、これは白のやりすぎだったということになる。
 □碁はこの後右辺から左辺、そして中央へと戦いを続けていくのだが、黒は左上で得た余禄を意識して終始固め固めに打っている気配がある。
 □白も又、左上の損失を意識してかきつめに打っていたが、遂に届くことはなかった。
 □結局、この碁は左上の攻防が全てで、黒は左上で得た貯金をうまく運用してその後の折り合いをつけていった、といえるだろう。その意味では、結果は半目だが、永遠に縮まらない厚い半目勝負だったといえるだろう。

 参考図A 白10ケイマシマリの受けは黒大ケイマ開きで黒良し






 黒模様は全局的に立体的で好ましい。

 参考図B 白20普通は二間開き






 白20はこの二間開きが最も常識的。

 参考図C 黒73でハネ出しは黒から一の1に放り込む二段コウだが、初劫にコウなし






 黒87に放り込む二段コウはすぐに取られて、黒から適切なコウ材がない

 参考図D 白88で左辺を逃げておけば穏やかだったが






 この図は左辺の白が目なしで中央に逃げ出すだけで(黒は隅、上辺ともに完全な生き)不満だったか?

 参考図E 白88突き当りは難解な攻め合いに?






 黒89に取りと必然、以下隅の白、左上一帯の黒とフリ替わりになるのが加藤説。
 








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2006年09月05日

第15期竜星戦決勝トーナメント1回戦 ▲趙治勲十段対湯川光久九段 173手完黒中押し勝








 □右辺で始まった戦いは、趙黒15と隅の地を取り、黒17とハサんで右上を盛り上げ、更には黒19、21と中央の一子も担ぎ出す。要するに“みんな打ってしまう”趙ならではの流儀で、これが藤沢などには「垢抜けない百姓のような打ち方」と映るのもやむをえないだろう。
 □以下黒37、白38と中央をトんだところで、趙は黒39と下辺をケイマに構える。あっちも、こっちも、という貪欲ないかにも趙らしい打ち方。
 □白40のボーシは中央黒の手抜きを咎めて“この一手”。
 □ここからの両者の応酬がなかなか見応えがある駆け引きが始まる。
 □黒45のツケに白は46〜52で応える。黒53では参考図Aのように下辺の白一子をシチョウに抱えたいところだが、そうすると中央が破れて無理と見て自重した。
 □黒53〜57で中央で優位にたつが、白も56、58で右辺からの白大石が左下と繋がり、大きな地をもって安定した。黒47の一子はこのままで取られているのが白の自慢。参考図Bがその証明。
 □黒61から新たな戦い。白62〜72まで黒の実利と白模様と対照的な別れに。
 □黒73から白模様の中の一子をすぐに動き出すのは趙の真骨頂。だがコウ含みで99までとなった図は黒は小さく捨ててポイントを稼いだといえる。
 □左上の別れは、部分的には白地は小さくはないのだが、白は一手余分に手をかけているのでそんなに効率が良いともいえないのである。
 □その間に黒は左下に91とカカリ、右上も味よく99と止めているのが大きいのである。
 □このままでは地合いが足りないので、白100、102、104と最強に頑張る。
 □それに黒111と真正面から応戦、右下の白の一団の死活が焦点に。
 □黒115からの攻めに白116から128が見事なシノギ。
 □となれば、左下の黒四子が取られているのが大きく、白優勢である。
 □黒129はは必死の頑張り、左辺の白と刺し違える覚悟だ。
 □左下の攻防で、白140が頑張りすぎ、黒141が利いては一筋縄ではいかなくなった。白140では参考図Cと着実にダメを詰めておけばこの黒は取れていた。
 □黒173となっては攻め合い白負けである。
 □かくして黒番趙は辛くも再逆転した。

 参考図A 黒53で下辺抱えは中央が破れる






 黒が53と下辺をシチョウで取っていると、中央が白56〜62で二子シチョウと切りが見合いで黒の“つぶれ”に終る。

 参考図B 黒47の一子は逃げても“カケ”で取られ






 黒47の一子はこのままで動けないのである。

 参考図C 白140は着実にダメ詰めで白勝ち






 白140では黒の眼の急所のダメを詰め、左辺の渡りは相手にせず、隅からダメを詰めていくのが良い。なまじ他のところから打っていくと、左下隅の寄せコウにされて、右辺の白の生きにコウ材が多いのでコウは負けになるので注意が必要である。





 



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2006年09月03日

第15期竜星戦 決勝トーナメント1回戦 ▲河野臨天元対小林覚九段 265手完 黒半目勝








 □河野天元は小林光一九段の門下だけあって、地味な棋風(失礼な言い方だったら謝る。m(_ _)m)の筈だが、この碁では黒5と二間高ジマリと構えて模様で一局打ってみようという趣向。
 □黒5が(よくある)小ゲイマシマリなら白6の割打ちは右辺反対側の星下R-11(黒7のところ)にうつことが多いのだが、実戦は白6、8と右下星寄りに二間開きにいった。これは黒9とコスミツケられて二立二石になり、昔なら絶対に打たないところだったが、碁の考え方は変化しているものと見える。あるいは小林覚はあえて河野臨の師匠の小林光一流(星に小ケイマにカカって、ケイマに受けられた時、スベリは保留して単に二間に開くあれ)を採用して河野を挑発しているのかしらん。
 □う〜む、白12も特異な打ち方だね。このあたり、両方ともにあおきレベルでは意味不明である。
 □黒が右上は受けず、13、15と左上に展開する。
 □白16〜48と右上の黒模様を荒らして逆に実利を稼いでしまった。
 □ただし右上は白が二手余分に手をかけていて、しかも後手。いいかげんの分かれか。
 □黒は、その先手を右下49のカカリに回す。ただし、50のケイマ受けに黒51、53と位を保ち、白54の絶好のハサミをあえて許す。
 □黒55〜白62と黒は白に左下隅の実利を与えても模様で勝負する構え。
 □黒63と白64を交換して、左辺の黒を安定させた上で、黒65と意外な所=右辺白模様の真ん中に打ち込んでいった。ここの白を脅かしておいて、本当の狙いは左辺の白三子である。
 □白66に黒67〜87と左下の白三子に襲いかかる。
 □トッププロ同士の一戦では激しい戦いが起こり、どちらかがツブれそうになっても、不思議といい勝負に収束することが多い。
 □この碁も、白88〜102と白が二子を犠打にしてシノギを計れば、黒も107まで左下の石を手厚く生きる。
 □こうなれば、後は最早ヨセである。
 □白108〜112は最後の大場。
 □黒113の左下隅打ち込みから黒149まで、双方ギリギリところで先手争いの傍ら、シノギ合いながらの必死のヨセの攻防が続く。
 □白150、152〜158と中央に覇権を称えるが、黒159〜白178と黒先手で荒らされては白辛いか。
 □しかし、黒183を先手で利かし、185と右上手止まりのところへ回ったのは黒“出来杉”君だ。ここは参考図Aのようになるところで、この図は白勝ち。だから白184の“正直な”受けが白の敗着。だから、黒183では右上を打つところで、こうなれば勝負の行方は分からなかった、筈だ。
 □城242の逆ヨセの意味も良く分からない。白は勝っているものと見て、固く打ったのか?
 □結果は265手完黒半目勝。

 参考図A 白184では右上の噛み取り7目半が最大ではないのかい?






 黒183に実戦のように184と受けるのは気合いが悪い。この右上は量後手約7目半で盤面最大ではないのか?続く185、187が先手だとしても、元に戻って183は相手が受ければ両先手2目だが、受けなければ両後手6目+α(黒からは中央の打ち方次第で、ハネツギが後手三目になる余地がある)の手ということで、右上のほうが同じ両後手なら価値が高かった。従って黒は183で、右上の噛み取りを打つべきで、すると白は183のコスミを利かし、そこで黒が腕組みをする、という展開ではなかったか?




posted by 蔵山車理恵蔵 at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第54回NHK杯2回戦 矢田直己九段対羽根直樹九段 161手黒中押し勝








 解説:石田芳夫九段
 □白4の小目は急戦といえる。星やR-4の小目なら穏やか。参考図A、B。
 □実戦の白4の小目は、右下が急場、残る3隅は大場となる。従って必然的に黒5は急場の右下に向かうことになる。参考図Cがその証明。
 □黒5を受けて白6と右上に打ち白は忙しく立ち働いて急戦志向。
 □最近流行の黒7二間高バサミに対し、白8〜黒17はどちらかというと白のペース。実利は与えても先手でぼんやりとおさまった。
 □18は難しい。というのも、右上の白はおさまったといっても“ぼんやりとした”中途半端なそれであるので、上辺の孤立したかに見える黒7に対する急な攻めはない。つまり、なまじ参考図Dのように攻めたてても、困るのは白の方だ。
 □で、白18とぼんやりと打った。
 □黒19は当然として、白20がなかなかの一手。
 □黒21〜白32は黒屈服ではないか?黒11と二線の引きといい、羽根は相手の注文に乗っかって平然としている、かに見える。(あおきではない。石田Pがそう言っているのだ)
 □白34の打ち込みに対しても黒35〜41の受けはおっとりしすぎではないか。白42が好点で、左右の白が繋がるようなことになれば「白負けなし」と石田Pのご託宣。
 □黒43〜49も大事の取りすぎでバランスが悪い。後手を引いてしまった。
 □白は50に構えてワンポイントリード。
 □黒51〜55も黒方向がおかしい。白が先着している右辺はダメ場なのだ。白56は手厚い一着。「白、優勢を意識しているか」と石田。「しかし、優勢を意識すると、着手がヌルくなることがあり、難しい」とも。
 □白が手を抜いた右下(白は56の時点で右上の石の繋がりを重視して、ここ右下はサバけばよい、と思っている)に、黒57〜63と攻めかかるが、白64が彼我の地模様の必争点。右下は手を抜いても急な攻めは喰らわない、と読んでいる。
 □事実白68に黒手を抜いて69と左辺の大場に回った。白70と更に稼いで、左辺の白に急な攻めが無ければ、白はっきり優勢だ。
 □黒71から73に白74、76が強烈な反発。「すごい手。でも、白が良い、とは限らない」
 □とまれ黒77〜85まで、左辺白、上辺黒と一種のフリ替わり。
 □白86がどうだったか?白86は孤立した右辺白の守りであるが、上辺に比重をかけ過ぎているキライがある(白94のスベリ以下右下の黒の攻めの間にシノいでしまおう、という魂胆だが、右下の白も決して完全な生きではなく、白は右辺と右下の絡み攻めを喰らうおそれが出てきた)。
 □だから、白86は次に黒が打った87が良かった。ここが形の急所でもあり、黒模様が出来かけている中央への牽制にもなっている一石二鳥の手だった。
 □案の定、黒87からの攻めは熾烈を極める。
 □黒93となってみると、中央に黒模様が出来て来ているのが気にかかる。
 □白94が白のかねての狙いだが、白104が手順を誤った。ここは参考図えと様子を窺うところ。
 □白104はここの白が生きようというだけの手。黒手を抜いてそんなに大きな被害はない。
 □それで、黒105〜白108を利かして黒109に回っては、ここ右辺の白の大石に生きはない。
 □それで、白投了もやむなし。

 参考図A 白4右下星なら穏やか






 この図なら、右下は打ち切り。従って大場は右上(シマリ、orカカリ)、左上(シマリ、orカカリ)、左下(シマリ、orカカリ)と奇数残っていて、先番の黒が3つのうち2つ打てる理屈で、先番の黒の有利は続いている、とも言える。

 参考図B 白4右下並行シマリ






 これだと、大場は4つ残りで最も平穏無事な布石。

 参考図C 黒5で右上のシマリは白6と打たれて白良し






 白6となると、黒白同数の石が盤上にあって形勢互角でなければならない筈なのに、黒三子が上辺に偏しているのに対し、白は右下の小ゲイマシマリの切っ先が上辺の黒を睨んでいて、下辺の白模様も上辺の黒のそれに比較して立体的であり、この次点で盤面は白有利になっている。「次の手7が黒番だとしても、コミ6目半をカバーするのは不可能」というわけだ。従って、黒5で右上には打てない、ということになり、盤上唯一の急場である黒5右下のカカリが必然となる。

 参考図D 白18で黒7に対する急な攻めは無理






 白18でハサんでも、弱石が黒1対白2なので、白不利な戦いは免れない。

 参考図E 白104では右辺に一発切りをいれておくところ






 白104は先手。黒は左下を生きなければならないので、黒がどう打っても右辺か右下の白の生きに役立っている。黒105、107なら白は108の切りに回って、この白はシチョウに取れないので右辺の白は生きる。そこで黒109で右下の白を攻めても、例えば参考図Fで、白は楽生きである。

 参考図F 黒109で右下の白を攻めても白は楽生き






 こんなにうまくいくとは限らないが、白104で実戦のように差込みではなく、このような切りをいれておくと、それがなにかの役に立って、右下の白は生きるのに不自由はない、ということらしい。









posted by 蔵山車理恵蔵 at 14:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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