2006年12月10日

第54回NHK杯戦3回戦第2局△小林覚九段対▲王立誠九段








 解説:片岡聡九段
 □黒9〜17、白二線に石が4つ来てやや辛い。
 □白18と下辺を安定させる。
 □黒19は白19との差で、根拠に関して厚い手。しかも白22まで先手だ。
 □黒23と意欲的。
 □白24、26にも黒27ツケと積極的に立ち働く。これは参考図Aを避けた。
 □白28、黒29、白30いずれも気合。
 □黒35は参考図Bを嫌った。
 □黒37は白38と手をかけさせても(右下隅の黒はワタリはなくなったが、手残り=後に黒61で実現)先手で、黒39と双方の根拠の急所に挟んで白を攻め上げては好調。
 □その後も、黒41カケ〜白60と中央へ頭を出していく。
 □そして一転、黒61に戻る。以下69まで右下隅黒は余裕の生き。
 □白70ツケ〜黒77は相場と見た。
 □白78、黒79、白80と布石に戻った。
 □黒81は落ち着いた一着だが、白にゆとりを与えた。参考図Cと厳しく打ったほうが白に余裕を与えなかっただろう。
 □黒81と緩んだので、白82、84が強烈。
 □黒85とトんだが、白86とおさまっては白も一息。
 □黒87〜89は強情。参考図Dは黒戦える、と見ている。
 □そんな黒の強気が通り、白90〜黒99となれば黒も一丁前。
 □白100と地を稼いでバランスを保ち、更に102、104と上辺を固めて密かに上辺の黒を狙う。
 □ところが黒はちゃっかり107と地を確保して、上辺は手抜きして「攻めてみろ」と居直っている。
 □白112と出るが、黒も113とカケて下辺の白との攻め合い、力勝負を挑む。
 □このあたりで形勢判断をしてみようか?まずは参考図Eを見ていただきたい。
 □これは黒は、左した隅〜左上20目(マイナス白からの切断の味)+中央6目+右下8目(マイナスコウ味)+上辺0目(マイナス攻め味)+右辺0目(マイナスコウ味)=計黒34目(プラスマイナスもろもろの攻め味、コウ味)。白は、左辺4目+右辺7目(プラスコウ味)+中央3目(ただし現在一眼しかないのでマイナス攻め味)+左上半目(プラス上辺黒の攻め味)+上辺11目半(プラス上辺黒の攻め味+右辺のコウ味)+アゲハマ1目+コミ6目半=計白33目半。したがって、ころころの攻め味、コウを別にすれば黒半目良し、という際どい状勢。
 □ところが、手番は次が白ということからすると、おいおい、がんばれば白悪くない、ということかい?
 □つまり、これは死活がらみの極細のヨセ勝負という、ヒジョーに微妙な玄人っぽい展開か?
 □ここで白が打った114、116が逆ヨセっぽい渋い手。左辺黒の切り味をかすかに狙い中央白の眼形の足しにもしている。参考図Fあり。
 □対して黒123はあからさまな(素人っぽい、ともいえる)地の手で逆ヨセ3目位かしら?
 □しかし、この白=虚、黒=実の交換が曖昧だった形勢をはっきり黒良しとした気配がある。
 □その後、白128〜130と黒を分断する構えを見せたが、黒131が黒の巧手で、白134と頑張ってはみたものの黒135、137と抱えられると中央の力関係ははっきり黒>白ということがあからさまになってしまった。白134では参考図Gがやむをえないが、これでも黒悪くない(黒半目良しbyあおきひとし)だろう、という。
 □実戦は白134とつっぱったため、黒139、141の強打を招き、白154、155と切り結んだものの、中央の白が生きていないため白156(もしくは下辺での目持ち)がやむをえない。
 □そこで157と中央の白の種石四子を取られては碁は終わった。
 □先番黒が先着の利を生かして主導権を握った展開だったが、中盤81の一着が甘く、碁はもつれた。
 □その後細かいヨセ勝負になったが、大ヨセの大事な局面で白は下辺で厚がった緩着を放って碁を険しくし、更に中央で128、130と勝負手をかけたが黒に131と冷静に咎められると一度は134と踏ん張ってはみたものの、もちこたえることはできず、最後は土俵を割った。
 □167手完 黒中押し勝ち

 参考図A 黒27でヒキは







 白から28と二間に詰められて黒受けようがない

 参考図B 黒35ヒキ







 黒35でノビは白二子を取れるが、右下隅が白地となる。

 参考図C 黒81厳しいツケ







 これは黒うまく行き過ぎだが、まああり得る図ではある。

 参考図D 白90押さえからの左上隅での戦いは黒歓迎







 この戦いは黒やれる、と主張している。

 参考図E 黒113で形勢判断







 黒は、左した隅〜左上20目(マイナス白からの切断の味)+中央6目+右下8目(マイナスコウ味)+上辺0目(マイナス攻め味)+右辺0目(マイナスコウ味)=計黒34目(プラスマイナスもろもろの攻め味、コウ味)。白は、左辺4目+右辺7目(プラスコウ味)+中央3目(ただし現在一眼しかないのでマイナス攻め味)+左上半目(プラス上辺黒の攻め味)+上辺11目半(プラス上辺黒の攻め味+右辺のコウ味)+コミ6目半+アゲハマ1目=計白34目半。したがって、ころころの攻め味、コウを別にすれば黒半目良し、という際どい状勢。

 参考図F 白124では二眼つくることもできた







 いざという時にはこのように中央の白が下辺にもう一眼作る余地があるので、124〜127は先手でも保留する、という考え方もあった。

 参考図G 白134妥協







 う〜ん、黒半目良しだなw









 
posted by 蔵山車理恵蔵 at 15:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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