2006年11月05日

第54回NHK杯2回戦第13局△高尾紳路本因坊対▲円田秀樹九段 白中押し勝 2006.11.5OA








 解説:石田芳夫九段
 □黒1〜5は大場。
 □白6〜20は定石。
 □「ここで黒21が珍しい」と石田芳夫九段。
 □白20となった局面で上辺と右辺は大場。下辺はモノが小さい。(白16があって、黒から打っても、盛り上がりようがない)ところが左辺は急場でここが白地になるか、黒が割り込むかの差は莫大で盤中最大(の筈)という。
 □従って黒21は左上星へのカカリは左辺から打つのが普通。ただし参考図Aは白不満で、参考図Bとハサム進行が順当だと石田P。
 □黒23の単に二間(隅へのケイマスベリは保留する=受けてもらえれば利かし、だが手抜きされる恐れがあるため。)は小林流。1980年代に小林光一が打ち出した。こうなってからの白からのコスミツケ〜立ちは甘受する、という発想。これは碁の考え方の進歩なのか?幅が広くなってきているということなのか?
 □先手を取った白は24、26と左辺を連打。
 □黒模様がふっくらと盛り上がる上辺は25と受けて不満はない。
 □しかし、先程言ったように、白16が睨みをきかしている下辺は価値が低く、白26には受ける気はしないところ。
 □だから27と左辺を割り、ここから黒は闘いにもっていきたい。
 □白は手抜きされて行きがかり上28と両ガカリする。
 □右下が現在主戦場であるが、ここはどちらがどう打っても圧倒的な差が出るところではない。であれば黒としては右下はそこそこに打って先手を取り、右上のコスミツケに回りたい。例えば参考図C。
 □実戦は黒29と下辺にツケ、白32から三々に入って、白が右辺、黒が下辺に地を持つ分かれになった。これは@黒は価値の低い下辺で地を持たされた(しかも左下と重複気味で、下辺全体を盛り上げるのはむつかしい)A先手を取った白は36〜黒43まで先手で黒の勢力圏であった右上隅に喰い込み地を削減B右下、右上とも白は小さいながらも確実に生きがあるため、その中間にある黒石27がボケてきた、の三点で黒面白くない。
 □先手で右下〜右上を処理した白は44と絶好点の上辺の消しに回って好調。
 □白44に対して、黒は上辺をケイマで受けるのは気合いが悪く、受ける気がしない。それで以下45〜144とちょうど百手打ってはみたものの黒の挽回はならなかった。
 □つまり白は32の三々入りから黒35まで先手で右下を治まり、その勢いで右上も
白36〜黒43まで先手サバいて、白44と上辺の消しに回った時点で既に形勢良し、たった44手で碁は終りなのである。恐ろしい。
 
 参考図A 白21左辺からのカカリにケイマ受けは白×







 黒23、25とアグラをかいて治まっては極論すれば白負け。したがって、黒21のカカリには参考図B↓

 参考図B 黒21左辺カカリなら白22でハサム







 白22と白は既に資本投下をしてある左辺を大事にしてハサムところだという。このへんが“1970年代囲碁理論”である。諸君は理解できますか?あおきひとしには理解できないのだが、わかったふりをしていた記憶がある。

 参考図C 黒29は上辺ツケからサバいて先手を取り、右上の攻めに回りたい







黒が右下隅で治まり、白が価値の低い(黒から大きな地所は見込めない)下辺で生きているようなら、黒は右上の白の攻めにまわり、一局の碁の主導権を握っている。




posted by 蔵山車理恵蔵 at 15:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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