2006年10月15日

第54回NHK杯2回戦第10局△苑田勇一九段対▲金秀俊七段 208手完 白中押し勝 2006.10.15OA








 解説:森山直棋九段
 □黒5、7とカカリっぱなしにして黒9とシマるのは流行の布石。
 □白10〜黒13と大場を打ち合ったところで、白14と切る。
 □黒15ハサミ〜27と左辺〜左上隅で戦いが起こる。
 □白26のケイマは意欲的(その一路上の一間トビなら普通)だが、反面後に黒からツケコシの狙いが残った。
 □黒29と白30の交換は白46まで、左辺と下辺ともに白が頑張り、なおも白46で一子の切り離し(23目の手)が残った。
 □黒は47〜51の中央の切りに勝負を賭ける。
 □白52から二つに切れた白のシノギ。
 □白56〜70で左辺は一子を切り離して生き。
 □焦点は中央の白の帰趨。
 □黒71〜87と黒の攻めは“取りかけ”の気迫がある。
 □途中黒85は手筋で白が86で上辺を打ったりすろと参考図Aの手段がある。
 □それで白86の戻りはやむをえないが、黒87のノゾキが強烈。白はここをツイでも、上辺を封鎖されて大ピンチ。
 □白88は右辺への進出を狙ったものだが、黒91のノゾキがこれ又キツイ。
 □その前に黒89と白90も交換をしたが、ここは続けてツギまで打ってしまうチャンスだった。参考図Bだが、今なら先手だ。いつでも利きそうな利きではあるが、実はこれが最後のチャンスだった。実戦の黒99のタイミングでは、白全体の生き死にがかかっているため、利いてもらえない。
 □93の切りが拙速。敗着その@/2である。白94が旨い手で一手で中央をシノぐとともに、上辺へ進出できた。
 □黒99とこのタイミングで中央を利かそうとしたが、最早利いてはもらえない。参考図C参照。敗着そのA/2、決定打である。
 □実戦は白107まで先手で上辺に所帯を持ち、取って返す刀で白108と中央に手を戻し(しかも、これが中央〜上辺の白の生きと中央黒の地との兼ね合いで黒109の切りがやむをえない最後、最大の大場である)た上で、白112まで上辺の生きを確かめたのだから応えられない。白は中央の一子をもぎ取られただけで、中央から上辺を黒模様の中に10目の地を持って生きたのだから大成功、勝負はついた。(右辺は白132からの削減の手段が残っていて、黒地は不完全。)
 □黒113〜白130。形勢悪いと見た黒は右下をあえてコウにして白を挑発するが、白は“金持ちケンカせず”生き生きで充分と見る。
 □黒131のツギは23目だが、白132の荒らしはそれ以上はありそうで見合いでもなんでもない。
 □しかも、右上は152ハサミツケの手段がある。
 □黒153サガリから161とコウにしたのは非常手段(参考図Dツギや参考図Eでは負けと見た)。コウになった。
 □右上のコウは出入り73目。右下60目弱。ものが違う。
 □かくして白の勝利は最終的に決定した。
 □では最終的に黒91の前に中央を決めてから、93のところを切らずに引いた図を掲げる。参考図Fである。

 参考図A 白86は手を戻さなければならない






 白86で上辺進出の手を打っていたりすると、黒87以下上辺が切り離されて、しかも中央の白は二子をとってもまだ一眼しかない。これは白、必敗のコースである。

 参考図B 黒91では中央決め






 黒91(あるいは93)では中央(この図の91)を決めておきたい。今なら、受けるしかなかった。この図のように手抜きしても上辺の白は生きるのに二手かかり、その隙に中央を切られ、中央から右辺を大きく黒にまとめられては、盤面30目黒勝である。

 参考図C 白100に手は抜けない
 





 白100に手を抜いて、黒101と中央を切っても、白102の二子取りと、一手で上辺白が治まって(しかも先手。黒103、105の右辺の守りは、実戦のような白からの右辺削減手段があり、守りになっていない)いるのが、参考図Bとの違いである。これは白も106で中央の動き出し、右辺荒らし、と白からの楽しみのみが大きいようだ。

 参考図D 黒153ツギ






 白152にフルえて黒153とツイでワタリを許すようでは、盤面でも白が良い。

 参考図E 黒159でツいでのフリ替わりも同様、白良し。






 これは盤面でも白、圧倒のようだ。

 参考図F 黒93持久戦






 黒93で中央を決めておいて、95に引くのが黒からは白の上辺での手段を奪い又右辺も守った“しゃにこい”手だ。この後、色々やってもたが、どうも白は上辺では一眼しか出来ないようだ。とすれば中央をツイで右辺と下辺の黒を破る算段をしたければならないが、これはどうなるか、あおきひとし程度の棋力では想像もつかない。(なんだか、白死のような気もするし、コウになるような気もしないではない)。やはり、結果的に見て黒はこの図に従うべきだった、かもしれない。













posted by 蔵山車理恵蔵 at 15:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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