2006年10月11日

第31期名人戦七番勝負第4局 △高尾紳路九段対▲張栩名人 364手完 白半目勝 2006.10.11-12








 解説:中野寛也九段(NHK BS2)
 □黒1、3(と5)は張栩流。
 □黒7で右下に打った。左下ではないのは、あおきひとしが書いた先日(10.9)のエントリー
http://blog.goo.ne.jp/rms3210/e/a277f47137f31fadb89dc8564b008342
を意識してのことなのか?つまり、張栩は名人戦第2局(張栩の黒番で、黒3向い小目=ケンカ小目を左下に打ち、黒5から左上に一間高ガカリ、白その下ツケ、黒7押さえ、白8ヒキ、黒9手抜きで右上シマリ、白10左上切り)の布石を再現を回避した(自信がなくて逃げた?)ことになりはしないか?
 □白8、黒9と大場を打つ。
 □白10〜黒25は右下でひとつの定石ができた。
 □白26は上記エントリー【名人戦定石】でも触れているが、黒3、5のカカリっぱなしを咎めた(動き出しを制限した)落ち着いた一着である。この黒3、5の動向が中盤の大きな焦点となった。
 □が、黒は上辺27と大場を打ち、黒3、5に遠く声援を送る。
 □白28は控え室の予想にはなかった着手。というのは、白28では参考図Aのケイマがぴったりで、右辺が黒地になり、白悪いというのが控え室の控え室の予想だった。だから、白28は同じ右上でも参考図Bあたりが検討されていた。
 □しかし実戦は白28のボーシとし、黒も又黒29と右辺より上辺を重視して両対局者ともに、控え室の考えを裏切る。この碁では終始、対局者と控え室の見解が一致せず、立会人の武宮正樹九段(準名誉本因坊格w)が「(予想が)全くあたらないなあ」とぼやいていた。このクラスの予想が外れても「(最近の若い子は)...」てな(どんなだ?)印象でカンロクであるが、今日のテレビ解説の中野寛也九段レベルでは「そりゃ、(中野Pレベルじゃ)分からないだろうよ」という印象を視聴者に与えて気の毒である。また、中野Pが恥じている風にみえるのもなんだか...。
 □白38で「やっと予想が当たったよ」と控え室は笑顔だとw
 □黒39からは厳しい追及。しかし、シノがれると黒も甘くなるので必死のところ。
 □黒49では参考図Cが上辺の黒模様の中での惷動を封じて簡明だったかも知れないが、それは参考図Dのような白の反発もありそうで、一筋縄ではいかないようだ。
 □実戦の黒49となれば、白50、52はやむをえない。(黒39、41、43の三子が人質になっている)
 □黒53では参考図Eとなれば「黒、右辺の白を取って、上辺の黒は死なない」ので旨いのだが、そううまくいくかどうか...。
 □黒67で参考図Fが検討されていた。これは白両方生きても黒先で黒模様がでっかく、黒悪くない、とみられていたのだが...。
 □実戦は黒、白ともに控え室の予想を越えてシビアーに打つ。黒67、白68がそれである。
 □黒71は“きつさの極み”である。白72では参考図Gがあった。これは右上が出入り50目を越える天下コウ(白の取り番)になる。この図は右上の白の実利が黒の二手連打を上回り、白有利と思われたが、白が実戦の72以下を選んだのは、「これ(実戦の白72以下の現実の進行)で白打てる」と白番の高尾が形勢判断したものと控え室は判断し、形勢白良し説も出てきた。
 □黒81は、右辺の処理をする前に中央〜上辺&左辺の白の出方を探る目的で、張栩は先手のつもりで打った筈である。
 □ところが、白は手を抜いて82と左辺を切ってきた。
 □怒った黒は83、85、87と打つが、白84、86、88と交わされてみれば、黒81と白82の交換は虚と実の交換で、話にもならない悪手ということになる。
 □黒89、91、93とさかんに左辺で策動を計ろうとするが、果たして展望はあるのだろうか?
 □

 参考図A 白28にはケイマ






 実戦の白28だったら、黒29の右辺のケイマが右辺を黒地にさせて黒良し=白悪いと控え室ではみていた。

 参考図B 白28右上打ち込み






 これは、黒の模様の右辺を荒らしにいった手だが、封鎖されてしまえば、外の黒の勢力が膨大だ。

 参考図C 黒49はダメ詰めが簡明






 白50と隅の一子を取るのこの図は黒51以下白の種石を取られて碁が終わるから話にならない。だから、参考図Dと右辺を生きなければならない。

 参考図D <参考図Cから続く>白50で右辺の白を生きる






 白50とカケツげば、黒はここをあてるのも恐い。すると、右辺の白はコウ含みで中央で戦いを拡大することになりそうで、だから黒49で参考図Cのダメ詰めが簡明というわけでもなさそうだ。

 参考図E 黒53でアテて右辺が取れれば、黒旨いのだが...






 これは、黒の理想図だが、“取らぬ狸の皮算用”で、所詮傍観者の気楽な感想でしかないのか...。

 参考図F 黒67で白を生かして打つ







 参考図G 白72でコウにできた






 このコウは白の実利が大きく、白有利と見られるが、この進行はほぼ必然であり当然両対局者ともに読んでいる筈だから、黒は実戦よりも、このコウがまだしも黒が勝負を先延ばしするチャンスがあると見、白は実戦のほうがより確実に勝てると見ているに相違なく、ここににわかに形勢白良し説が浮上してきたのである。



 













posted by 蔵山車理恵蔵 at 21:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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