2006年10月01日

第54回NHK杯2回戦第7局 △河野臨天元対▲坂井秀至七段 168手完 白中押し勝 2006.10.1OA








 解説:倉橋正行九段
 □黒13に白14と辛抱がいい。
 □白14で切りは参考図Aの戦いになる。これは白上辺に一手要るので右辺の白は孤立して逃げる一方になる。
 □そこで白はまず上辺を守った。
 □それなら黒は15と大場を打ち、参考図B白16と切ってくれば三子にして捨てるつもり。
 □なので白は上記の切りは打たず、下辺16と大場に回る。
 □ならば黒17と右辺に大きな黒模様を敷く。
 □とまあ、このように碁は互いに相手の意図を外しながら打っていくという例だ。
 □白18に参考図Cの定石はこの際適切ではない。上辺は白14が来ているので価値が小さい。
 □「だから白は参考図Dの展開を考えている筈」と倉橋P。
 □実戦の白28は左辺の黒の惷動(しゅんどう)を封じた。ただし黒23、25にかすかに生命力が残っていて、将来左辺に黒が来た時もう一手かける必要がでてくる可能性も心配しなければならない。
 □黒33〜白40は大胆なフリ替わり。右上隅は白先で参考図Eのコウによる生きが残っている。
 □なので黒43は一手かけて上記の白のコウ生きの狙いを未然に封じた。
 □白44、黒45、白46は大場
 □黒47から上辺の黒を担ぎ出していった。
 □白50、52で黒は左上隅と上辺がカラミ攻めになって嫌な感じ。
 □黒73は参考図Fともう一本押しが利けばいいのだが、残念ながらそれでさえ黒31の引き出しは成立しない。ということは黒は当分ひたすら中央を逃げ出すだけしかなかった。
 □黒73と一子を引き出したが白74のマガリが双方の必争点で黒参っている。
 □黒75マゲも白76の割り込み一発で要の黒31の一子は取られている。
 □黒77以下もがいてはみたものの、白の攻めは筋に入った観があり、“大石死なず”の格言に反して、哀れ黒の大石は頓死。

 参考図A 白14切って戦い






 白14ですぐに切っていくのは、戦いになり、これは黒がやれる。

 参考図B 白16で切り






 白14が来てからの16切りは黒は右上を三子にして捨てる。この右上の白は凝り形と見るわけである。

 参考図C 定石だが






 この場合、白14のスベリがきているので上辺は価値が低く、黒白ともに行きたくないところなので、黒が不満。

 参考図D 黒の意図






 黒は白28の時、黒29と左辺を引っ張り出して左辺で戦いをおこすつもりだった(だろう、と倉橋P)

 参考図E 右上白はコウによる生きがある






 右上隅の白にはコウ生きがある。

 参考図F 黒73押し






 黒73では押しが必争点だった。黒73白74の交換をしてからでさえも、黒31の引っ張り出しは成立しない。中央は黒白ともに逃げ逃げの一手で、それがいやなら、そもそも41、47が無理だったということになる。










posted by 蔵山車理恵蔵 at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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