2006年08月20日

第54期NHK杯2回戦第2局 ▲張栩名人・王座対△山田規喜九段 黒中押し勝 2006.8.20OA








 解説:結城聡九段
 □白26〜32は気合いのフリ替わりだが、黒33〜白40が先手で利き、黒41の絶好点へ回られた分、先着の利が生きていて黒面白いのかもしれない。
 □だから、白34では気合で参考図Aとトビたかった。
 □というのも、白48のサバキに、黒49,51の強手が成立し、黒がここで大利を得たからである。
 □だから、白48では参考図Cの下切りからいきたかった。“初劫にコウ(材)無し”のようではあるが、放送後の検討の結果、左上で二回頑張るコウ材が頼りであることが判明したらしい。<放送での検討では、初劫にコウ無し、という結論だったが、その後、検討を進めた結果、それが覆ったようだ>黒が妥協して、白シチョウで右辺の黒一子を抱えればまずまずだったろう、という最終結論で、それなら白もまだやれた、ということらしい。
 □白52で53の切りは黒がシチョウで取られている。参考図C参照。
 □ということは、白42からここを動くのは重く、白はそれ以前の手、つまり26、28のコウが悪かった、というのがOAでの結論だった。
 □左上でコウが生じ、“初劫にコウ(材)無し”ということで実戦の進行はほぼ必然だが、右下でもまたまたコウにいくのが正解だったようだ。なんと、白は両方ともにコウ材有利だったのである。
 □結局白は妥協して、50、52、54と打ったが右辺はシボリにもなっていないので黒55と取り切った右下の黒は見かけ以上にデカイ、“手付かず”の黒地だ。これなら、最早形勢黒良し、となった。ここで、優位に立った黒は以下もその優位を譲ることなく一局を押し切った、ということで、この碁の白の敗因は白48にある、というのが最終結論であった。
 □左下、白56〜黒79は、双方定石に囚われず手筋を出し尽くしての見ごたえのある攻防だが、79とポン抜いた分、黒厚い。それが後の中央の戦いにどれだけ影響するかが、勝負の分かれ目と見えたが...。
 □左下を先手で切り上げ、上辺を白80と二間に開いて白全局的に中央が厚いかとも思われたが...。
 □黒81〜85と黒は上辺に手をつける。
 □白86が作戦の岐路だった。この手では参考図Dとおとなしく受けて黒は活かしても、中央を厚くする作戦はありえたかもしれない。
 □白は勇ましく、86と押さえたが黒97となると上辺と右辺の渡りだ見合いでこの黒は生きている。
 □だから、白98と生きている石をいじめに行った手が敗着と思われた。黒99から104で、上辺と右辺の渡りが見合いだからである。
 □だから、解説の結城聡九段は98で参考図Eの中央囲いを主張した。が、張栩はそれでも黒99と右下を囲い、黒良し、を主張、結城もそれには反論しなかった。だから、白98は敗北を決定づけた手ではあっても敗着ではない。
 □敗着はそれ以前、白86か、白26であったろうか?
 □ということは黒105に白106はやむをえない一着なのかもしれないが、黒107、109、111と堂々と中央突破しては碁は完全に終わった。



 参考図A 白34では一本右下をトんでおきたかった






 白34で右下を一間にトべば、黒はO-16に一間にトぶ位のものだろう。その交換をしておけば、直後の黒41〜55のキツイ攻めもなかった。
 黒35でこの図のように左上をポン抜いてもここは、打ち切ったところで、案外モノが小さい。白は36以下先手で大威張りで右下を打ち、左辺も先手で回れる。この図は黒左上で重複していて悪い。

 参考図B 白48ではまだしも下切りだった






 
 参考図C 白52で両アタリはシチョウに取られ。






 白52の時、このように両アタリを打てば、黒は53とこちらを逃げ、白54ポン抜きの時、黒55はシチョウである。ここで、白が56と打てばシチョウアタリを打てば勢い参考図Bのフリ替わりになる。

 参考図D 白56で左上を打ってまたもや大フリ替わり






 このフリ替わりは右下を取り切った黒が厚いか。う〜ん素人目には、黒が南半球、白が北半球と地球ならぬ碁盤の小宇宙を二分していい勝負のようにも思えるのだが。

 参考図E 白86では妥協もあった?






 白86では、三線での渡りは許しても四線を塗りつけるのはありえた。白も中央の一方地で恐いことは恐いが黒97となって黒97まで先手で中で居直られた実戦の進行よりはましだった。

 参考図F 白98で囲っても、手遅れ?!






 感想戦で、結城Pは98では「右下を98と囲って勝負に持ち込める」と主張したが、張栩名人・王座は即座に「それなら黒も99と右下を囲って負けはない。」と斬り返した。「中央の白は50目はできないから」ということは、張はこの早碁の最中にも形勢判断ができていた(寄せまで、読み切っていた)ということになる。凄い!








 





posted by 蔵山車理恵蔵 at 16:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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