2006年03月13日

第15期竜星戦本戦Eブロック6回戦 ▲M・レドモンド九段対三村智保九段 黒中押し勝








 □黒16まではまあ、よくある布石と言っていいが白18のノゾキは珍しい。というのも、黒19、21とタケフに受けられると白14と18がタケフの両ノゾキという典型的な悪手になっており、しかも白22が欠かせないようではつらいとしたものだ。
 □先手を得た黒は意気揚々と23、25と連続ケイマにかぶせて中央の先陣争いに先着して圧倒的に優位に立ったかに見える。
 □しかし、ケイマが腰が伸びていることも事実で、白28と形の急所に置かれると黒も何か備えが必要で、結局白32まで後手ながら下辺に大きな白地を確保、“あまし作戦”に出る。
 □「プロの碁はシノギより、攻めの方がむつかしい」とは、よくいわれる言葉だが、その通り、この碁も黒の打ち方が悩ましい。
 □黒41のケイマまで利かして、黒は右辺下からの大石が左上の黒となんとなくつながった形ではあるが、白も42とトんで「一方石に死にはなし」。
 □で、黒は左辺のスケールの大きい、ということはスカスカでもある模様をどの位まとめられるかが勝負である。
 □で、黒43といっぱいに詰める。これは必然。
 □で、次の一手がこの碁の命運を左右する重大な一手、本局の山場である。
 □白も下辺を守ばいいというものではないと考え、44と挟んだ。
 □こういった一局を左右する一着を考える時は、まず形勢判断をしなければいけない。それで白が44と43の黒石にツケ押さえする参考図Aをつくってみた。あおきひとし製だから参考にはならんだろうが、まあ余興として見てやってくらはい。これによれば、白悪くない。つまり、あおきさんの寄せを信用すれば、白有利なわけだから手堅いツケ押さえでよく、実戦の白44は無謀な冒険だったことになるW
 □黒45はこうするよりしようがない。これは必然を越えた絶対。
 □白はといえば、いっぱいいっぱいに頑張って46〜56と下辺を死守、45目の白地を確保する。左辺の黒の大模様の中に取り残された白44の一子は「死ぬわけがない」と言っている。
 □白に居直られて「さあ、コロせ!」と言われては黒も怒る。しかし振り上げた拳の落とし所が難しい。
 □白44を確実に取るなら黒57は参考図Bだろう。
 □で黒57とボーシにかぶせた。これはなにがなんでも白44を取ろうというのではなく、参考図Cのように、場合によっては白を生かしても黒勝てますよ、と言っている柔軟な手?!
 □しかし、白62に黒63とこちらに手を戻さなければならないのなら白はB-7ノゾキを利かしてC-12と“富士山”に構えて大いばりで生きていた。
 □しかるになんぞはからんや、生きる前の駄賃どうせ先手さとたかをくくって中央を消しにいったのが運のつき。というか、生意気。つまり欲張りすぎ。
 □ペンチャンで辺を渡っただけの参考図Cと比べてもらえばわかるが、これ(“富士山”)はコミに近い地をもった大いばりの生き、つまり白必勝の図だった。
 □かくして、強豪三村は頓死。レドモンド大石をヒット。

 参考図A 白44ツケ押さえで白下辺を守る図







 とまあ、白80まで、白黒85目づつほぼ同数。次は黒番とはいえ、上辺の白ワタリも大きく、黒はコミをだすのが難しい形勢ではないだろうか。つまり、この図は「白、2目半良し」である。

 参考図B 白44を確実に取る黒57ハサミ







 参考図C 白44を生かしても黒勝てる






 
 これはヒジョーに細かいが、あおきセンセイの見立てでは半目黒勝ちになるw。








posted by 蔵山車理恵蔵 at 20:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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