2006年03月12日

第53期NHK杯テレビ囲碁トーナメント準決勝 ▲今村俊也九段対森山直棋九段 黒3目半勝 2006.3.12OA








 解説:結城聡九段
 □白8、10は「森山らしい」(結城P)
 □白27の消しは「今村らしい」(結城P)おちついた一着。左下から左辺と下辺に展開している白模様に対し、ここから臨み、左辺と右辺どちらかに受けるかの選択を任している。これで一局打てるとの判断。
 □白は28とコスミ、下辺を重視した。しかしこれで下辺が白地になったわけではない。黒27を左辺と下辺のどちらの方向から攻めるか、という問題である。逆にいえば、左辺の白26と下辺の白14、どちらが孤立してもシノギが容易化?という問題である。
 □だから、黒も29から31と軽いサバキを心がけている。当面の黒の左下でのテーマはいかにして白の追求をかわすかということであり、間違っても黒31で53とツいで白からC-7の二間開きによる一方的な攻めを喰らってはたまらないのである。
 □白32が森山ならではの力感あふれる一着である。黒としてはD-12ケイマくらいで白を裂いていきたいところだが、それは白26からE-10と中央に一間に飛んで左下の黒を攻めまくり、裂かれたもう一方の白32はC-15のツケなどもあってシノギは楽ですよ、と言っている。
 □↑なもんで、黒は33とこちらを一間にトビ、白32が孤立した時の負担を重くする。
 □となれば白も34ツケで先手でこちら側の連絡を果たし、白の言い分が通ったかたちである。(後に白58と切った時、続く白59からの引出しは白32に連絡してしまい、黒33がそれを阻止するのに何ら力になっていないことをとっても、黒33と白34の交換が虚と実の交換であったことの証明になる。)更に、返す刀で38とカケ(黒39とかわって先手になった)て好調である。白40とここに一手いれておくのは本手というもの。これで、下辺白63と打っておけば白逃げ切りの勝ちだった、というのは結果論というものであろう。
 □41から48まで上辺の白を攻めるが、上記の手段があるので攻めになっていない。
 □結局黒は49〜53と左辺に手を戻す。
 □白も54、56を一本利かして(これらは後で役にたっっている)、58〜62と上辺に10目の地をもっておさまる。
 □白63の打ち込み。白26の頃から言及されていた下辺の白模様だが黒が先着することとなった。ただ63は少々深入りで、一路右上の4線の69なら白14と力関係は五分と五分で、互いに中央へトビ越して普通の進行だろう、という。
 □早速64のボーシが飛ぶ。これは単なる威嚇ではなく、殺意が込められている。
 □黒は65〜69と必死である。
 □際どいところで白は70のノゾキを利かす。これは56のタイミングでは利いはくれなかったはずで、ここしかないタイミングである。
 □黒71ツギは気合である。これで72と突き抜けは形勢はどうだったか、解説はそれには言及する時間がなかった。おそらくいいかげんの分かれ、ということは白の優勢は続いていたことになるのか?
 □白当然の72ツギに黒は意地の73押さえ。黒71がきたので、右下隅の白に死にが生じているのだ。
 □白74も、黒75とお互い意地になって相手の大石を葬ってしまった。
 □解説の結城Pの話では、黒は実質30目、白は30目弱でわずかばかり黒が得をしているようだが、“背中のフクラミ”は白厚く、白有利の形勢は動いていなかった、とこれはだいぶ時間が経過してから言ったことである。w
 □とまれ得た貴重な先手で、森山は白76、78と黒77、79の交換をしてしまう。左辺は部分的には黒からの片先手(76〜78は後手)を逆寄せ(4目得)したのになおも黒79と左辺黒の生きを確かめて一手かけてくれたので先手の打ち得に見える。
 □しかし、黒79は単に左辺の生きを確かめるだけではなく、白38とカケられた頃から彼我の勢力の接点でもあったのだ。後にここから左辺白へのケイマガケが先手で二本利いたことでも分かるように、79は“マグサ場”の中央に覇権を唱える意味で見かけ以上に大きかった。事実、更に後に右辺にできた93〜99の壁と、下辺に利いた115、117のノゾキと呼応して、中央に10目もの地が出現することになる。
 □ここで形勢は、はっきりしていた白のリードはかなり狭まってきている。
 □白84のツケが強烈な抉りのようで案外でかしていない。85、87の抑えから93のボーシをくらい、100と逃げ出すことはできても84、86の二子を取られては、白は勝利を決めにいったつもりが、逆に形勢不明に追い込まれている。
 □更に115の下辺のノゾキに反発して勢いよくトビ出した122が123と切断されて孤立〜憤死しては森山はさすがの白の好局も台なしにしてしまった。
 □「白148は方針変更」で「白サッパリ」「“二人がかり”で黒に地を作ってしまった」(結城P)
 □白122ではフツーに上から下から左からと侵分していって細かかったはず、とは結城の結語。
 □
 □


posted by 蔵山車理恵蔵 at 18:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/14704872

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。