□黒3のカカリっぱなしは気合。厚みを重んじ、ごちゃごちゃと打つのを嫌う“大竹美学”には珍しい手。最近の張栩のやり方を意識したものか。
□白16は林の長考の末の一手だった。作戦の岐路である。
□白22黒23は白の利かし。形を重視する大竹にとってはつらい受けだったか。
□白24ノゾキに黒25と反発。意地で互いに切り違える。
□白38に黒39と一歩もひかず、上辺の戦いは激化の一途を辿る。
□黒51までと黒が左上をほぼ生きれば、白も52と上辺の白一団を補強する。
□黒53は14-Bコスミの実利が大きいが、白に54を譲っても黒55のカケで打てる、と大竹は見ている。
□それで白54,56から先手で左上の形を決めた後、黒55カケには手抜きして白66盤中最大の大場を占める。
□大竹は黒67〜77と厚みを拡大していくが、林はしろ68以下右下に実利を稼いで対抗、お互いに我が道を行く。
□大竹は黒101と中央白の急所に迫るが、林は白102、104と必死の抵抗。
□白114とつながっては下辺にかなりの白地が見込めそう。ただし左辺に傷残り。
□林が白124と下辺を広げ、双方の地のアウトラインがほぼ確定。
□白が132と左辺の白数子を助けたあたりで、控え室の検討陣の評価は「黒形勢良し」
□黒137のノビに林は足りないと見て白138、140としたが、黒141、143で上辺の白がコウになっては投了もやむなし。