2005年12月04日

第53期王座戦五番勝負第2局2005.11.21 △張栩王座 対 ▲山下敬吾天元 白中押し勝








 □黒1、3、D-14は山下が得意とする布陣。張はすかさず白4とカカり、その構えを封じた。以下黒9まで、白は先手で切り上げて白10とアキ隅を占める作戦を採った。
 □黒11のハサミは当然。いきなり戦闘開始の雰囲気が漂ったが、黒13に対し白は白14のツケでアッサリと手を打った。白14は低いうえに、黒から手を付けられるのが気がかりで、普通は白F-13と戦っていくところ。それで、不利は考えられないが張の好みの進行ではないのだろう。局後、控え室に姿をあらわした王座に、新聞解説の大矢浩一九段が「白14は研究済み?」と問うと、「まあ、その場で考えました」と笑って答えた。考慮時間は2分だった。
 □黒15〜白18は、上辺から右辺の黒と、下辺から右辺の白の模様の張り合い。
 □黒は、黒19〜白32まで、先手で下辺の白を荒らした。利かしといったところ。
 □なにげない黒33白34に対して検討陣から非難の声が相次いだ。この交換がなければ、黒G-12一間飛びが加わったときに黒C-12の押さえが利いて左辺の白が破れるため、上辺での白の打ち方が制限される。
 □しかし黒は、黒35〜39まで上辺の模様を広げて勢いがよく、控室には黒乗りの声もあがったが...。
 □黒が黒41、43と模様を固めようとするのに対して、白も白42そして白44と荒らしにきた。怖い手である。
 □というのは黒45が正面から迎え撃った一着であるが、いかに血気さかんな山下流といえどもこれは打ちすぎだったようで、結果論から言えば敗着になった。ここは自重して、黒Q-17ヒキか黒L-15フクラミとする(参考図A黒45〜白52が一例だがこれは互角であろう、という)ところだったようだ。

 参考図A







 □つまり白46ハネがピタリとはまり、黒47ヒキと謝るしかないのはつらいのだ。黒J-15と切って戦いたいがそれは参考図B黒47〜白62まで黒地を荒らされ黒悪い。続いて黒63には白64以下68まで筋に入ってぴったりと取られて生きられ黒最悪である。

 参考図B







 □山下は黒49から51と力の出しどころを求めていく。白52で白54に押さえればその下J-13(白56のところ)に切って戦おうということである。
 □だが白はそれ(上記J-13の切り)を見越して白52。黒53と換わればN-16のアテなど上辺にさまざまな利きが生じていて、J-13(白56のところ)の切りにはK-12(黒57)のカケで応じることができる。
 □ならば黒53でN-17(黒59のところ)アテとカカえJ-13の切り(白56のところ)を強調するのはどうか?対戦者が終局後の感想戦で示したのが参考図C黒53〜白92。右上は元々黒地のところ。白92までとなれば白H-17コスミツケから中央黒を切り離す嫌味も残り白十分打てる。

 参考図C








 □白60と飛んで一段落。白の張が存分に打ちまわし、黒にチャンスを与えない。
 □白68ではK-5(黒69のところ)のノビが普通の手だが、これが張一流の地の辛さ。黒からS-9サガリとの差でばかでかい。徹底的に黒地を稼ぎ、中央はシノげるという判断である。
 □こうなっては黒73を利かして外を厚くして、中央への寄り付きに勝負を賭けるしかない。
 □黒77は白に謝らせるならD-12(白78のところ)のツギで利かすよりも働いている。いきおい白78から左辺の治まり具合を巡るコウ争いが始まった。
 □白88が「コウ材であると同時に、コウを解消するような絶好手」(新聞解説大矢浩一九段)だった。黒91まで取られて大変なモチコミだが、白92まで決まりがついてしまえばもはや戦う場所がなく、形勢もハッキリした。白96が最後の決め手となった。

 

posted by 蔵山車理恵蔵 at 00:08| Comment(1) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Posted by at 2005年12月04日 16:35
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