2006年03月21日

第6回春蘭杯2回戦△趙治勲(日本)対▲周鶴洋(中国) 黒中押し勝 3.11.2006北京








 自戦解説:趙治勲十段
 □左下で大ナダレが発生、白32まで無難な分かれ。
 □右下黒39のハサミに白40とコスミツケ、44の後45と黒上辺に先向したため、白46から下辺黒を攻め上げる展開に。
 □ここで、黒は又も手を抜いて55と右辺を頑張るも、白も56に手を戻し、18目の実利を確保。
 □この時点では、下辺黒がやや薄く、白が打ちやすいとの評判。
 □黒は右下を三度手を抜き、57〜61と左上で模様を拡大。
 □白62〜78と決めて右下黒を睨みながら、上辺80から持っていく。
 □さすがに黒83と一手をいれるが完全ではなく、その下辺をにらみつつ戦いは上辺が戦場に。
 □「このあたり、白悪くない、と思っていたけど...。黒87までの後白88はどうだったか。白90と右辺を打つのなら白88と黒89の交換がない方が白軽く、黒89が来たことによって左上C-16の内ノゾキが気持ち悪い。右辺に打ち込んだ白90に黒91と反発されては白苦戦。白88、90のセットがまずかったなぁ。」(趙)
 □「いっぱいに頑張る趙Pならではの打ち過ぎ。白88の押さえは打たず、白92などと右辺にもっと軽い消しを打つべきだった。それなら下辺の黒も安心できず、白打ちやすかった。」(『週刊碁』記事より)
 □実戦は右辺に打ち込んだ白90以下三子がタダ取られ、ジ・エンド。


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2006年03月20日

第6回春蘭杯世界選手権2回戦 △胡耀宇(中国)対依田紀基(日本) 白中押し勝 3.11.2006北京








 自戦解説:依田紀基九段
 □立ち上がり黒7のしまりを打ち、ゆっくりとした碁に。
 □左下白14に黒15と変化、黒17のポン抜きはいい実利だが、白も14、14と黒9の一子を制した格好が良く、白20までまあまあの分かれ。
 □黒は21と要所を占め、白22に黒23と右上がいい構え。
 □黒25、27に白26、28と右下の白模様を盛り上げる。
 □すかさず黒29とこの白模様に単騎突入、勢い白56までフリカワリに。
 □黒57では参考図Aのようにちゃっかり右上をまとめてしまうのもあった。
 □黒57は左上の白の攻めをみたもの。これも黒悪くはない。
 □白左上をただ逃げるのは面白くない、とみて白58、60と右上の黒模様を荒らし、左上と両方しのぐつもり。
 □黒61の絶好の開き詰めを喰らっても、62、64でなんとか両方中央へ首を出している。
 □黒65と攻勢を構えるが、白は70とここに根を下ろして居直る。
 □黒71、73と左右の白を裂き、白の出方を窺う。
 □白74とまずはこちらを逃げる。
 □ならば黒85と地を取りながら攻める。落ち着きすぎのようにも思えるが、これで黒悪くないという。
 □白96のツケからここを塗りつける。以下106まで壮大な白壁が。
 □形勢はやや黒持ち、といったところ。
 □ならば黒7〜11と白のぴったり封鎖を避け、中央のラインを裂いていけば良い。
 □白12の分断にも、黒13、15と下辺を治まり、白16にも17とここを止めて黒悪くない。
 □白も上辺の大石を逃げねばならず、白20から形を決め、白34と中央に踊り出し、黒への逆襲を狙う。
 □黒37〜45と上辺を確実に生きて優勢は動かない。
 □白非常手段で48〜56と下辺黒に殴り込みをかけてくるが黒55、57から59と上辺のまだ連絡していない白に襲いかかり、69までこちらで二眼持とうという構え。
 □だが、黒71はいいとして白72に73と中央の白四子を取った(14目)のが欲張りすぎ。すかさず白74と割り込まれて黒77の備えが欠かせず、白84と下辺をもぎ取られ(24目)ては大逆転。依田一手の見損じに沈没。
 □黒73で中央を守ておけば参考図Bのように黒が良かった。残念。

 参考図A 黒57でちゃっかり現ナマ







 右上を56目の確定地にしては右下の36目を大きく上回り、黒優勢だった。

 参考図B 黒173眼を作り、黒勝ち







 黒173〜177下辺が生きると、白も左辺の棒石を生きなければならず、黒は下辺P-3のツギを利かして(白受けなければQ-1からのハネツギを利かして後手ながら14目の実質を得る)、N-13の両ノゾキから白三子を食いちぎる(後手12目)。いずれにしても、黒に手止まりの10数目の手が回るわけで、この図は黒10目は良い。


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2006年03月19日

第53回NHK杯テレビ囲碁トーナメント決勝 ▲羽根直樹九段対今村俊也九段 黒中押し勝








 解説:武宮正樹九段
 □黒25打ち込みは積極的。ツケノビを打たれても、黒は裂かれ形で苦しいかと思われたが、
 □白26コスミとじっくり打つ。
 □当然の27のトビ出しに、28、30とカケてこの黒を包囲してゆく。
 □黒31、33と白32、34の交換は打ちづらいが、実践的に決めて、
 □武宮の予想は中央へのトビ出しだったが、黒35、37のスベリを決め、白も忍耐強く36、38としっかり受ける。
 □しかし、黒39のトビ込みに、白40とここを受け、黒41と飛ばれては、右下の白は目も二眼なく、左辺へも完全に連絡していない。
 □白42と左上にカカリ、仕切りなおし。
 □黒45と中央に念入りに手を入れる。
 □白46とハサミ、挽回を図る。
 □黒49から、中央の白の攻めを見る。
 □白は上辺52と開いてこちらで安定して、中央はシノギ勝負に。
 □黒83の打ち込み以下両者中央への進出を計るが、白96に切りが一本入り、黒99と隅を守らなければならなくなれば、白100と出て好調。
 □黒105と上辺を頑張り、白106以下のハネ揚げを喰らっては中央の黒も“ヨレタ”感がある。
 □結局上辺は白130以下134と黒一子がゲタに取られ、黒135と後手で生きなければならず、黒は苦しい。黒のリードは吹っ飛んだか?!
 □白は寄せに入って中央〜下辺を一気に決めにいったが、さのさなかの150が見損じ。右下、下辺とふたつの黒の生死に響いていなくて一手パス。
 □黒149が眼持ちと下辺白の切断と黒151からこの黒の逃げ出しと、中央の白数子の取りを見合いにした好着だったので、結局白164が必要になり黒165を許しては黒再逆転。結局この碁は黒のものとなった。
 □ちなみに、白148で中央を守った参考図Aを掲載しておく。これはまだまだ寄せ勝負で、どちらがいいともいえない感じもするのだが...。

 参考図A








 
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2006年03月13日

第15期竜星戦本戦Eブロック6回戦 ▲M・レドモンド九段対三村智保九段 黒中押し勝








 □黒16まではまあ、よくある布石と言っていいが白18のノゾキは珍しい。というのも、黒19、21とタケフに受けられると白14と18がタケフの両ノゾキという典型的な悪手になっており、しかも白22が欠かせないようではつらいとしたものだ。
 □先手を得た黒は意気揚々と23、25と連続ケイマにかぶせて中央の先陣争いに先着して圧倒的に優位に立ったかに見える。
 □しかし、ケイマが腰が伸びていることも事実で、白28と形の急所に置かれると黒も何か備えが必要で、結局白32まで後手ながら下辺に大きな白地を確保、“あまし作戦”に出る。
 □「プロの碁はシノギより、攻めの方がむつかしい」とは、よくいわれる言葉だが、その通り、この碁も黒の打ち方が悩ましい。
 □黒41のケイマまで利かして、黒は右辺下からの大石が左上の黒となんとなくつながった形ではあるが、白も42とトんで「一方石に死にはなし」。
 □で、黒は左辺のスケールの大きい、ということはスカスカでもある模様をどの位まとめられるかが勝負である。
 □で、黒43といっぱいに詰める。これは必然。
 □で、次の一手がこの碁の命運を左右する重大な一手、本局の山場である。
 □白も下辺を守ばいいというものではないと考え、44と挟んだ。
 □こういった一局を左右する一着を考える時は、まず形勢判断をしなければいけない。それで白が44と43の黒石にツケ押さえする参考図Aをつくってみた。あおきひとし製だから参考にはならんだろうが、まあ余興として見てやってくらはい。これによれば、白悪くない。つまり、あおきさんの寄せを信用すれば、白有利なわけだから手堅いツケ押さえでよく、実戦の白44は無謀な冒険だったことになるW
 □黒45はこうするよりしようがない。これは必然を越えた絶対。
 □白はといえば、いっぱいいっぱいに頑張って46〜56と下辺を死守、45目の白地を確保する。左辺の黒の大模様の中に取り残された白44の一子は「死ぬわけがない」と言っている。
 □白に居直られて「さあ、コロせ!」と言われては黒も怒る。しかし振り上げた拳の落とし所が難しい。
 □白44を確実に取るなら黒57は参考図Bだろう。
 □で黒57とボーシにかぶせた。これはなにがなんでも白44を取ろうというのではなく、参考図Cのように、場合によっては白を生かしても黒勝てますよ、と言っている柔軟な手?!
 □しかし、白62に黒63とこちらに手を戻さなければならないのなら白はB-7ノゾキを利かしてC-12と“富士山”に構えて大いばりで生きていた。
 □しかるになんぞはからんや、生きる前の駄賃どうせ先手さとたかをくくって中央を消しにいったのが運のつき。というか、生意気。つまり欲張りすぎ。
 □ペンチャンで辺を渡っただけの参考図Cと比べてもらえばわかるが、これ(“富士山”)はコミに近い地をもった大いばりの生き、つまり白必勝の図だった。
 □かくして、強豪三村は頓死。レドモンド大石をヒット。

 参考図A 白44ツケ押さえで白下辺を守る図







 とまあ、白80まで、白黒85目づつほぼ同数。次は黒番とはいえ、上辺の白ワタリも大きく、黒はコミをだすのが難しい形勢ではないだろうか。つまり、この図は「白、2目半良し」である。

 参考図B 白44を確実に取る黒57ハサミ







 参考図C 白44を生かしても黒勝てる






 
 これはヒジョーに細かいが、あおきセンセイの見立てでは半目黒勝ちになるw。








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2006年03月12日

第53期NHK杯テレビ囲碁トーナメント準決勝 ▲今村俊也九段対森山直棋九段 黒3目半勝 2006.3.12OA








 解説:結城聡九段
 □白8、10は「森山らしい」(結城P)
 □白27の消しは「今村らしい」(結城P)おちついた一着。左下から左辺と下辺に展開している白模様に対し、ここから臨み、左辺と右辺どちらかに受けるかの選択を任している。これで一局打てるとの判断。
 □白は28とコスミ、下辺を重視した。しかしこれで下辺が白地になったわけではない。黒27を左辺と下辺のどちらの方向から攻めるか、という問題である。逆にいえば、左辺の白26と下辺の白14、どちらが孤立してもシノギが容易化?という問題である。
 □だから、黒も29から31と軽いサバキを心がけている。当面の黒の左下でのテーマはいかにして白の追求をかわすかということであり、間違っても黒31で53とツいで白からC-7の二間開きによる一方的な攻めを喰らってはたまらないのである。
 □白32が森山ならではの力感あふれる一着である。黒としてはD-12ケイマくらいで白を裂いていきたいところだが、それは白26からE-10と中央に一間に飛んで左下の黒を攻めまくり、裂かれたもう一方の白32はC-15のツケなどもあってシノギは楽ですよ、と言っている。
 □↑なもんで、黒は33とこちらを一間にトビ、白32が孤立した時の負担を重くする。
 □となれば白も34ツケで先手でこちら側の連絡を果たし、白の言い分が通ったかたちである。(後に白58と切った時、続く白59からの引出しは白32に連絡してしまい、黒33がそれを阻止するのに何ら力になっていないことをとっても、黒33と白34の交換が虚と実の交換であったことの証明になる。)更に、返す刀で38とカケ(黒39とかわって先手になった)て好調である。白40とここに一手いれておくのは本手というもの。これで、下辺白63と打っておけば白逃げ切りの勝ちだった、というのは結果論というものであろう。
 □41から48まで上辺の白を攻めるが、上記の手段があるので攻めになっていない。
 □結局黒は49〜53と左辺に手を戻す。
 □白も54、56を一本利かして(これらは後で役にたっっている)、58〜62と上辺に10目の地をもっておさまる。
 □白63の打ち込み。白26の頃から言及されていた下辺の白模様だが黒が先着することとなった。ただ63は少々深入りで、一路右上の4線の69なら白14と力関係は五分と五分で、互いに中央へトビ越して普通の進行だろう、という。
 □早速64のボーシが飛ぶ。これは単なる威嚇ではなく、殺意が込められている。
 □黒は65〜69と必死である。
 □際どいところで白は70のノゾキを利かす。これは56のタイミングでは利いはくれなかったはずで、ここしかないタイミングである。
 □黒71ツギは気合である。これで72と突き抜けは形勢はどうだったか、解説はそれには言及する時間がなかった。おそらくいいかげんの分かれ、ということは白の優勢は続いていたことになるのか?
 □白当然の72ツギに黒は意地の73押さえ。黒71がきたので、右下隅の白に死にが生じているのだ。
 □白74も、黒75とお互い意地になって相手の大石を葬ってしまった。
 □解説の結城Pの話では、黒は実質30目、白は30目弱でわずかばかり黒が得をしているようだが、“背中のフクラミ”は白厚く、白有利の形勢は動いていなかった、とこれはだいぶ時間が経過してから言ったことである。w
 □とまれ得た貴重な先手で、森山は白76、78と黒77、79の交換をしてしまう。左辺は部分的には黒からの片先手(76〜78は後手)を逆寄せ(4目得)したのになおも黒79と左辺黒の生きを確かめて一手かけてくれたので先手の打ち得に見える。
 □しかし、黒79は単に左辺の生きを確かめるだけではなく、白38とカケられた頃から彼我の勢力の接点でもあったのだ。後にここから左辺白へのケイマガケが先手で二本利いたことでも分かるように、79は“マグサ場”の中央に覇権を唱える意味で見かけ以上に大きかった。事実、更に後に右辺にできた93〜99の壁と、下辺に利いた115、117のノゾキと呼応して、中央に10目もの地が出現することになる。
 □ここで形勢は、はっきりしていた白のリードはかなり狭まってきている。
 □白84のツケが強烈な抉りのようで案外でかしていない。85、87の抑えから93のボーシをくらい、100と逃げ出すことはできても84、86の二子を取られては、白は勝利を決めにいったつもりが、逆に形勢不明に追い込まれている。
 □更に115の下辺のノゾキに反発して勢いよくトビ出した122が123と切断されて孤立〜憤死しては森山はさすがの白の好局も台なしにしてしまった。
 □「白148は方針変更」で「白サッパリ」「“二人がかり”で黒に地を作ってしまった」(結城P)
 □白122ではフツーに上から下から左からと侵分していって細かかったはず、とは結城の結語。
 □
 □


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2006年03月10日

第7回農心杯勝ち抜き団体戦第13戦 ▲孔傑(中国)対依田紀基(日本) 白中押し勝








 解説:高尾紳路本因坊
 □右上と左上は小目にケイマカカリ、二間高ハサミからコスミツケという同形が出現しているので、黒11はあえて形は決めず、双方の模様の接する地点に先着してこれで打てるとみたものだが、趣向倒れ、かもしれない。(高尾紳路P)
 □白は12とハネて、ここの形を決める。
 □黒は右上を決めずに、13と中国流に大きく構えて白の動き出しを迎え撃つ作戦。
 □といっても白も動き出すしかない。14、26、28と軽いサバキを求めるが55まで右上に閉じ込められた姿はでかしているとはいえない。
 □サバキの途中、白40はM-12とノビて、確実に外へ顔を出しておくものだったか?
 □あるいは、44でもL-12とハネ出してここから闘いを始めるものだった、かもしれない。
 □いずれにせよ、中央を封鎖されては白面白くないのである。
 □右下でも白は56から60と大サバキをめざす。
 □黒67は強情な手。普通は85のノビ。
 □黒81は無理。白83と切れば上下が見合いで、試合は終わっていた。(白の勝ち)
 □黒85までとなれば、中央を厚くという黒の方針は貫かれた。
 □白86と地合いのバランスをはかる。布石のやりなおし。
 □黒87〜しろ96はこんな相場。
 □黒97〜99と上辺を盛り上げれば、白98、100と左上と右上を固め、これで地合いは拮抗している。
 □黒101から左辺を決めにいったが、白も106、112と反発して中央に顔を出す。
 □白130は133と並ぶのが簡明だった。黒から131に切られると中央の白が分断された。
 □白146は中央の生きと右辺の取りかけを見合いにした手だが、参考図AのようにM-8にコスむのが唯一の正着。実戦は黒から参考図Bの手段があり、白が窮していた。
 □黒159と白160の交換は黒の大悪手。白160に石がきたことで左下の黒はダメが詰まっていて、参考図Cのように白162では、A-4にハネればこの黒は死んでいた。(黒負け)
 □黒171に白172は無用の頑張り。白173と引いていてどうということはない。(白勝ち)
 □白222はJ-13とハネるのがうまい手。
 □というのも白222にはその上にK-17と押さえてコウは避けてよく、参考図Dのように半目勝負だった。
 □黒123と勝負に出てコウにいったのが敗着。天下コウで中央の白十子は取っても、コウに勝ち、白236と上辺を制したのがより大きく、白の勝ちが確定した。
 
 参考図A 白146のコスミが正解







 白146とコスめば白良く、黒が眼形を奪うとしたら黒147のノゾキしかないが、その時白148と引っ張り出して、攻め合いは白の一手勝ち。

 参考図B 白のつぶれ形







 黒153ではこのようにハネ込みが成立していた。白154は黒155以下シチョウ。

 参考図C 左下の黒は白162のハネで死んでいた







 参考図D 正しくは半目勝負だった








 白222には冷静に黒223と受ければよかった。それなら、上辺の黒はワタリを許しても生きで、そうなれば半目勝負でまだ先は長かった。










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2006年03月09日

農心杯勝ち抜き団体戦第12戦 ▲趙漢乗(韓国)対依田紀基(日本) 白中押し勝








 解説:高尾紳路本因坊
 □序盤から依田は積極的に動く。韓流を意識している?
 □白40からコウを仕掛け、依田は気合満点だが、同じコウならS-15のほうを切る方がよかった。
 □コウのフリカワリは互角。
 □白50は80と外に出るほうがまさった。
 □黒65は一路ナナメ奥のN-17と深く三線に迫ったほうが迫力がある。
 □黒73、75は74、76とカワされて疑問。73では黒74とケイマするほうが厚い。
 □白86は上辺n-17とここに一着かけて右上の白を安定させ、同時に黒に寄りついているのが厚い。
 □黒87と押し上げたのが大迫力。黒闘いの主導権を握る。
 □黒93が変調。K-16に切り、白93、黒L-17なら黒の一方的な攻めが続いていた。
 □黒95は大緩着。
 □白104とツいでは形勢は分からなくなってきた。ここは、お互いに中央への逃げ逃げだが、こうなればもはや寄せで、すると僅差ながら白がよいらしい。


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2006年03月08日

第44期十段位決定五番勝負第1局 ▲山下敬吾棋聖対趙治勲十段 白中押し勝 2006.3.8








 解説:武宮正樹九段
 □山下黒1、3の小目には趙2、4の二連星。黒5のケイマカカリに白6の一間。全盛期から特有の型は持たず、あらゆるタイプの碁をこなしていた趙だが、ここでも山下棋聖の先番に正々堂々と受けて立つ横綱相撲?!
 □山下黒7とミニ中国流に開く。
 □白8の打ち込みには上辺9と足早に展開する作戦。
 □白10〜20と左辺を制するが黒も11〜21と左上をしっかりとって上辺の模様を形成。解説の武宮は黒は上辺に偏していて(黒9が三線にある!)、白はのびのびしていて面白い、と言う。
 □白20で参考図Aのようにハネると、参考図Aの進行が予想される。これは白26まで先手で固めて、白28に先着してうまいようだが、黒23に石がきて12、14の白二子が死に体、黒28ツケ以下左辺の黒一子も策動するアジも残っていて白が悪いのだという。
 □白は左辺〜左下の模様を固めるべく22と一着かける。
 □黒23が序盤の岐路。武宮は右辺に先鞭(R-6かR-10)して模様を広げるのが普通だと言う。
 □黒23のハネも小憎らしい好手で、白が押さえ込めば逆に出切って白二子を取ってしまうと主張している。
 □白24〜28と右辺に先鞭するが、その分上辺の黒模様も強化されている。
 □黒29のケイマカカリに白30といっぱいに詰める。
 □山下は黒31と三々に入った。
 □趙は32と抑え以下46まで右辺いっぱいに模様を張って更に上辺の侵入を窺う。
 □白46はN-6カケツギが本手だが、すると黒から右辺にQ-12に先着されて白の右辺を制限された上に上辺が盛り上がるのだ。
 □ここで山下一局の岐路に立った。ここでは様々な展開がありえただろうが、上辺は受けづらいのだろう。また左辺の黒5の動き出しは一方的に攻めを受けるだけと見た。そして右辺の白模様の消しも単独でいっては標的になるだけで面白くない。
 □そこで山下が選んだのは黒47切り。ここから戦いを起こして全局に波及させることを考えた。いかにも武闘派の山下らしい剛直な戦略である。以下55まで右辺と下辺をそれぞれ白地にしても、53〜55と中央に構えた厚みは上下左右全局を睨んでいる“耳赤”だと主張している。
 □白50が趙らしい一着。武宮は上からN-6あたりに押さえて打ちたい、という。下辺の白二子は捨石にして右辺から左辺の模様を強化するのが大局観から見て王道だと主張する。
 □だから、黒53と打って白54と交換したのはいかがなものか、という。中央の黒を寛がせる意味では安全だが固すぎる。後にG-4にくっつけて左下の白模様を荒らす手が消えてしまったからだ。
 □となれば売られた喧嘩は買うのが趙。上辺深く56と黒模様の中心に打ち込んでこの石に死にはないと言っている。黒53と白54の交換がなければ、白もM-16カタツキあたりに控えて、中央の黒の攻めをにらむところだった。
 □黒も57〜63と出口を塞ぐ。
 □白も62、64、66と四線を押して退路を確保、返す刀で68と引いて右辺も守り、と忙しく立ち働く。“シノギの趙”の面目躍如だ。
 □しかし黒69の出には、白70〜74までこちらを逃げなければならず、黒は77、79から85まで右辺を荒らす。しかし、逆に白の立場から言えば、このラインで黒の侵入を食い止めているともいえるわけで、流石に第一線のプロ同士の対局らしく互いに容易に相手に決定打は与えない。
 □黒も攻め一本ではなく、81と82を交換した調子に83と守り、84、88と白が逃げれば87、99と又追うという具合にコンビネーションプレイを使い分けてこのあたり両者スリリングな攻防を展開する。
 プロレスなら観客からいっせいに拍手が起こる場面である。
 □白も100〜110と必死に逃げ出すが、黒111が将棋でいえば“必死”の形。白大石の逃げ出しと左辺黒の策動を天秤にかける。
 □白112と左辺を守り中央は居直る。白も必死のところだ。
 □黒113〜119と出口を閉ざせば、たまらず白は120と上辺へ戻り、生きを計る。
 □黒121〜125とここに一手かけて黒の連絡を確かなものにすると同時中央での白の目を奪い、生きを催促する。
 □白126とツケコシて上辺を破り、黒の出方を窺う。上辺の黒は、放置すれば白から左右を利かされて生きてしまう。
 □そこで、黒はいったん135、137と上辺の生きを確かめて様子見。
 □白もコウ生きならあるが、左上は138、142としたままで放置して、144と右上をカケツギ、黒に手を渡す。
 □このあたり両者秘術を尽くした必死の攻防だが、黒はこのまま治まったのでは黒芳しからずと見たか、あるいはここが決め所と見たか、遂に149と置いて157までコウに持ち込んだ。
 □黒157は諸刃の剣ではある。白に158とされた時黒には二つの選択肢があった。ひとつ、黒60とついで黒は確実に生きるが、その時は白にも165と二眼持っての生きを許してしまう。もうひとつが、実戦の進行、黒159と白の目をつぶすが、白も160とコウを取れば、黒にも一眼しかなく、ここが絶対コウになる。
 □参考図Bは白がコウを避け、左辺から寄せた図である。白が30目良し。
 □とまれ黒はルビコン川を渡った。
 □コウ材は黒が少ない。
 □白も二眼はなくなったがコウを継いで黒を一眼とし、一眼同士の攻め合いは白勝ち。
 □黒は下辺のコウに最後の望みを託すが、白にコウ材が多く、下辺の白に死にはない。

 参考図A 白20別法







 参考図B 黒がコウを仕掛けず左辺から寄せた図














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2006年03月07日

第25期NECカップ決勝戦 ▲趙善津九段対小林覚九段 黒5目半勝








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2006年03月05日

NHK杯囲碁選手権準決勝 ▲羽根直樹棋聖対今村善彰八段 黒中押し勝 2006.3.5OA








 解説:山城宏九段
 □左上の折衝で白20と欲張ったが、21と打ち込まれて白苦しい。
 □遅れをとった白は24と左下の黒に圧力をかけて挽回をはかる。
 □黒は27、29とツケ切るが、34からのコウは白に譲り35、37と冷静。
 □白は44と下辺を構えるが、黒は45とさっそく動き出す。
 □白は46〜56と左辺の黒を固めるのは、なりゆきとはいえつらい。
 □白は58ボーシで黒を攻め、調子で下辺〜左下隅を囲う。
 □中央のせめぎ合いは白78、黒79で一段落。
 □白は80と腰を落として、左下を固める。
 □黒81右上隅シマリは最大の大場。
 □白は中央の黒を攻める手がかりを求めて、82と右辺をいっぱいに詰めた。
 □黒83は、中央の黒のシノギと白82の攻めをみた。
 白84敗着。黒85〜89と中央と右上隅〜上辺を双方ともいっぱいに頑張られ、白82〜88が逃げるだけの棒石と化してしまっては大勢は決まった。
 □白84では、P-10と黒83に肩ツキして中央の黒を裂き、一戦交えるところだった。
 □上辺はコウになったが、白にのみ負担の多いコウ。しかも、コウ材は黒に多い。
 □上辺の黒が121まで左辺と繋がった時、左上の白に死にが生じるので白122に手入れが必要になるのが白の泣き。結果的に序盤の微妙な時期に打った黒67の逆寄せの手が先手になって面目を保った。
 □左上で貴重な先手を得た黒は123、129と中央〜上辺に手を戻し、白106と黒107、白112と黒113のコウ材による交換を交えて中央の黒を強固なものとし、右辺〜上辺の白の大きい棒石を威嚇する。
 □やむなく白は130から中央に寄り付きを図りコウに持ち込むがそこで息切れ、白140と右辺に手を戻さなければならない。
 □続く中央の攻防で白148は見損じ。黒151との交換はコミ分(6目)の損。ここに勝敗が決した。



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2006年03月04日

第4回世界学生囲碁王座戦 ▲江村棋弘(日本)対リー・ジー(アメリカ) 黒3目半勝








 解説:溝上知親八段
 □左上黒5白6に手を抜いて、黒7とシマるのは最近の流行。白8、10と力を蓄えた白の厚みが今後どう働くかが今後の見どころ。
 □左下黒11、13にケイマ一本で手を抜いて、白14、16といっぱいに下辺を広げてきた。
 □黒17では11から中央に一間にトんで白三々コスミと換わりM-3と打ち込んで下辺から戦いを起こせば右辺の黒模様も働いて普通だった。黒17三々コスミは妥協した打ち方。白は幸便に18、20と封鎖する。
 □黒21の様子見は今しかチャンスはない。黒がここを手を抜いていると、すかさず白B-4黒B-3を利かされ、白の厚みは強大になる。
 □黒33では黒38押し、白F-9ハネ、黒G-9ハネ、白G-10ヒキ、黒H-8カケツギと中央で居直りたかった。
 □黒33に戻り左下と繋がり安全策を取って中央を割った実戦だが、白38の厚みによる左辺の白模様の幅と、白40と手を戻して得た下辺白の実質が勝る。
 □黒41の打ち込みはこの一手。
 □白4と左下から詰めたが、白44と左上から詰めるのが優っていた。
 □黒は43〜53と左上に侵入してほぼ治まる。
 □白は54、58と攻めを継続したが、以下77まで中央を破られて5目の実質をもって治まられてみればやはり打ち過ぎだっただろう。これで、形勢は黒に逆転。
 □白は88〜100と右上の黒の削減を図る。
 □黒101の打ち込みが決め手。ここを破っては黒の勝利が確定した。


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2006年03月03日

第5回ゴールデンレディース ▲岡田結美子六段対青木喜久代女流名人 白中押し勝 2006.2.18








 解説:小林千寿五段
 □序盤は岡田が動く。白6のハサミに手を抜いて7と左下隅をシマリ、10のコスミにも手を抜いて11とこちらから詰めて白8の動き出しを催促する。
 □白は黒の挑発に乗らず、白12、22と右辺の地を稼いで、下辺は中央に飛び出せばシノギだとみている。
 □黒23、25と威勢よく気持のいいボーシを連発するが、白26と左辺にあぐらを欠かれると、ややもてあまし気味か?
 □それで、黒27と下辺からことを起こし、31とノゾく。
 □右辺の折衝では黒35が寄り道で、白36〜40と一子をカミ取られて巧みに整形され白42に戻られては、黒の攻めは空転した。
 □黒49から布石に戻る。左上隅のフリカワリはこんな相場。
 □白は上辺を68と割り打ちしておだやかな進行。
 □上辺で白76の圧迫に手を抜いて、黒は77から左辺を決めに出る。以下91まで、中央の三子を囮にして左辺と下辺を大きくまとめては黒満足。
 □黒が手を抜いた上辺を白は92以下攻めるが、黒は97、99を利かして101と手厚く中央に手を戻し、これで間接的に上辺を守っているからしゃれたもの。
 □右上隅の黒75への白102のツケは非勢を意識した青木の勝負手だが、優勢を意識した岡田は103ハサミツケと弛み、白の右辺への連絡を許してしまう。結果右上隅の黒地はガラガラに荒らされて、黒は中央へさまよい逃げることになっては、形勢不明。
 □黒103では黒105、白103、黒107と白を中に封じこめて戦いたかった。中の白はコウにするのが精一杯。
 □大寄せに入って、白134のサガリに手を抜いたのが岡田の敗因。ここはF-14と受けておくべきで、白140、142が決め手になった。
 □黒143でF-12ノビは白からその右に切られて上辺と左辺のいずれかの黒が取られる。やむない黒143、白144の利きから146と黒一子を取って左辺の白を助け出し、地合いの差がはっきりした。
 


posted by 蔵山車理恵蔵 at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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