2006年02月28日

第25期NECカップトーナメント大阪大会準決勝 ▲小林覚九段対山田規三生九段 白6.5目半勝 2006.2.18







 解説:小林光一九段
 □白6の一間高バサミは小林の十八番。15まで先手を取って、足早に右上16にかかる。
 □右辺重視の黒17ツケに白18とツケ返せば黒25までは定型。
 □白26の消しに黒27と一杯にツメれば、白手抜きで28、30と右上にちょっかいを出してQ-15の切りを強調する。
 □ところが山田はそれを無視して黒31と上辺を連打すれば、小林も32〜38と左上を割って譲らない。
 □白38ではH-17なら安定しておだやかだったが、38と強気にかぶせたため、上辺の白に黒から39の置きが強烈!碁はここから白番山田のペースになった。
 □白は48、50とここをこじ開けて中央脱出を計るが、黒55と手厚く構え、白は左上、上辺、右辺の3グループががまだ生きていないのに対し、黒の心配は右上の切りだけ。圧倒的に黒面白い。
 □黒63、65と左右の白を裂いて出て好調だったが、左上の白を攻めて当然に思えた黒69が打ち過ぎ。
 □黒69に反発した白70の切りが小林の放ったカウンターパンチ。右上の黒を真っ二つに裂き、白76と逆襲する。
 □黒77、79で脱出できそうだが、白80がカカトでこらえた強手。黒84からの出切りからの攻め合いは白81に当てて白良しを読み込み済み。止むをえない黒81、83伸びに白84と継いでしまっては白厚い。
 □更に、黒85のツケに白86、88が絶妙の変わり身。中央の黒を脅すとみせかけて、右辺で稼ぎながら治まり、中央を厚くし、さらに先手を取って白98、100と左上に手を戻せば、白してやった。このあたりが名人戦で張名人をあと一歩と追いつめた小林覚の太刀の冴えだろう。
 □山田はここでいったん矛を収めて黒101と左下101と大場に向かうが、小林は白102と上辺の黒に逆に脅しをかける。黒111を誘って、白114、118と追いかける。そして黒119には白120と黒二子を切り離す。碁は一転、白ペースに。
 □黒121、123から125と左下星の白にカケて左辺との連絡を計るが、白は強情に126から、132、そして144と黒数目を食いちぎって、左下隅は黒に譲っても充分採算が取れているという大局観の明るさである。
 □ところがこの碁、このまま無事には収まらない。下辺は白に与えて黒149と三手かけて制したかに見えた左下隅を白158、160と動き出せば黒も161の置きが激しい一打で、白174まで双方命がけのコウ。
 □お互いに絶対のコウダテを交わした後、白は188とコウを解消。だが、黒189、191から大コウが右辺に飛び火。
 □白198のコウ立てに「もう受けていられない」と黒199と右辺のコウを解消した(出入り50目)が、今度は左辺で白206に黒207とハジいて第三の大コウが始まった。
 □左辺のコウも出入り50目は下らない絶対コウだが、白は212、214の連打で手を売ってさしもの激戦も終了、「三つの大コウの収支は互角ながら、形勢は白良し」(小林光一九段)ということであった。



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2006年02月26日

NHK杯囲碁選手権準々決勝 ▲今村俊也九段対蘇耀国八段 黒中押し勝 2006.2.26OA







 解説:山田規三生
 □黒7のミニ中国流に上辺白8と割り打ちして、黒9と白10の二間開きを見合いにする。
 □黒11の渋い一間ツメにも白12と固く受け、黒13にもおだやかに白14に二間に開き、黒も15と二間に開く。解説の山田Pも「戦いは起こらず、寄せの勝負に」と予想。
 □白16の打ち込みに黒17以下隅に潜り、白26と又も左辺に打ち込んで戦いが始まるかと思われたが
 □白は34、38と連打して左辺を収まれば、黒も41のツメと42の交換を利かしと見て、45のワタリで妥協。
 □碁は布石に戻り、白は48、50と右辺を模様化。
 □黒は辛く51と右下三々ツケ。地を稼ぐが、その反動で70まで下辺の黒が薄くなった。
 □黒は71と下辺の黒に一手かける。白72の打ち込みは急所のようで、黒73の這いこみに白74が省けずそこで75と戻られると、にわかに下辺の黒は眼形豊富になり、同時にそれを押し包んでいた白も薄みが露呈、71〜75の折衝で彼我の力関係が逆転した。
 □白は76と右下の黒を攻めるが、黒77、79、81と反攻されると下辺の白は3グループに分断されていずれもまだしっかり生きていないのに対し、黒の3グループは目の心配はない。
 □白82以下88までコウになったが、これは白にのみ一方的に負担の重いコウ。
 □したがって、黒はこのコウを焦らず、89〜95と右辺から中央を手厚く構えて相手の出方を窺う。
 □白も下辺のコウを取っている余裕は無いが、96〜103と際どく稼いでおいてから104と下辺に手を戻す。
 □下辺のコウは白に譲っても、黒は123、135と白を分断して、147、149とまたもやコウを誘い、左辺の白の攻めと、中央の荒らしを見て余裕シャクシャクである。
 □白はコウ材が続かず、右下にコウ移しするが、これは黒には生きのある、楽なコウに換わっている。
 □ここでも、白はコウ材が続かず、右下のコウは黒に譲り、白188、194、196で中央をまとめようとするが...
 □黒209、211と居直られて、中央は破れては投了もやむをえない。


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2006年02月25日

第7期農心杯囲碁世界最強戦決勝 ▲依田紀基碁聖(日本)対李昌鎬九段 黒中押し勝 2006.2.24








 解説:高尾紳路本因坊
 □右上の折衝に手を抜いて、黒23、25と右辺に先鞭した。黒23で26のシチョウは高尾Pは「私ならそう打つ」ということだが、24で白に右辺に先着されて右上の黒の厚みが働かないと見たもの。白26には機会を見て上辺の黒を動き出すつもり。
 □しかし、黒27〜38と左上隅を固めてから黒39と動き出したのは、高尾Pの想定外。「よくわからないけど(成算があるのだろう、)感心しました」と脱帽。黒39は白26と36を結ぶ、目に見えない白の国境を越えて白陣に侵入していて危険なのだ。
 □白42ではK-15とツケて、黒7、21の二子を制しておけば穏やか。実戦の42は戦線拡大策。
 □黒43は44にツゲば普通だが、挑発に乗った。依田の決断の一手。結果オーライだったが、本当は疑問手だった!
 □黒55まではほぼ一本道。白56がイ・チャンホ最大の逸機だった。参考図Aのように打てば黒はつぶれていた。
 □黒89までまで白を取った。
 □右辺の白16子は取れているが、今のところ揚げ取りである。攻め合いや締め付けを睨んで、上辺、右辺、右上と黒から様々な手段があって右上は見た目ほど大きくない、らしい。
 □白90、92は上記の右辺からの締め付けを狙っている。
 □黒93は攻め取りを気にしすぎた一手だが、不要だった。ここは白からの93は先手にならず黒は手抜きができるので、そんなに大きくはない。いわば虚の手。
 □黒93と交換に打たれた白94は下辺をいっぱいに詰めて下辺白の地模様の盛り上がりを見ていてでかい。実質の手であり。これで、形勢は最早不明になっている。
 □締め付けを嫌い、また下辺の白の地模様の拡大を嫌って95、97と手を入れてはみたものの白100〜108で下のラインは止まってしまった。こうなっては、白優勢。
 □黒105では参考図Bのように打ち、乱戦に持ち込むしかなかった。これならまだ、わけのわからない戦い。
 □黒109、111のツケノビは依田得意の楽観癖。形勢は最早黒が悪く、依田は一打逆転の挽回策を取らなければならない局面。
 □このあたり、双方持ち時間の一時間は使い果たし、一分の秒読みに入っている。だから、というのではないが、双方に疑問手が続出して、勝利は二人の間を行き来する。
 □白114はぬるい。参考図Cのように、白58からこのラインを押し上げなければならなかった。黒25のハネは白59と切って黒は25の一子が逆に取られる。これは白勝ち。
 □黒15では一路高くE-8と打つしかなかった。よくもあしくも、このラインで左辺の黒をまとめるしか勝負の道はない。
 □黒129、131を決める前に黒R-8、白S-7の交換をしておかなければならなかった。手抜きは参考図Dの手段がばかでかい。白勝ち。
 □最後に転んだのは白だった。146150とツケ切って中央がまとまるなら白の勝ちだが、そうは問屋がおろさない。黒151以下白陣が壊滅してあっけなく勝負はついてしまった。最後は黒N-7とK-3が見合いである。

 参考図A 白56で黒つぶれの図







 白56ではこの頑張りが成立する。白64と出て、この白はつかまらない。

 参考図B 黒105でわけのわからない乱戦








 参考図C 白114の押し上げが勝利への道






 
 白114の押し上げに黒115のハネは白116と切られて、むつかしい戦いだが、白122と先行している分、白に不利は考えられない。

 参考図D 黒129の前に右辺を決めておかなければならなかった







 白136に手を抜くと、ただちに白138が成立して右辺はコウになる。それがいやなら黒は139でO-10とついで右下隅をちぎられての白からの締め付けを全部受けなければならなくなる。これは黒負け。













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2006年02月24日

第9期女流棋聖戦三番勝負第3局 ▲知念かおり女流棋聖対万波佳奈三段 白2目半勝 2006.2.9







 テレビ解説:河野臨天元、控え室:加藤充志八段
 □戦いの火の手はまず左上であがった。黒25のヒキに対して白D-13の出なら普通だったが、「黒28とスベられるのがシャク」と見た万波は白26とコスミツケた。しかし黒27の出が機敏な反発。白28で30とハネ出すと、黒D-17とその上を切られ、白B-18とカミ取っても黒C-16と切られて中央の白四子が浮いてしまって白芳しくない。よって、白28のコスミは苦心の一着だが、続いて黒B-18とサガり、白29ワタリの時に他所へ転じられていれば、白はかなりヘコまされた格好で白26の非を咎められていたのではないか」(加藤充志八段)実戦の黒29、白30は「フリカワリといっていい進行で、白にも言い分がある」
 □白30ハネ出しによって弱体化した黒13、17、19の補強に黒31とツケていったが、黒39では41ともう一本押しを決めておきたかった。というのも白40の打ち込みが厳しかったからだ。今から、黒41と押しても、白は利いてくれない。
 □ただし、白44のトビはこの一手のようで、実は安易な一手だった。実戦は44が来てもH-17とコスミつけて動き出す手が残っており、それを防ぐために白は48ともう一着を要してしまった。それなら白44ではG-17と切って、ここを一手で済ましていれば、黒は45と伸びるくらいだから、下辺O-3の二間開きに先行できた。実戦は白44、48と上辺の取り切りに二手かけた理屈で、白地は多少増えたが、それよりも黒から逆に49と詰められてしまった一手の差の方が大きい。この時点で、黒の打ち易い碁になった。
 □上辺の黒はN-13から白46を切断する手が残っていて意外に厚いのである。白50と一手かけても、黒にはまだ余裕がある。
 □だから上辺の競り合いに手を抜いて下辺51の打ち込みは機敏、黒は戦いの主導権をその手に握った。
 □そして下辺から中央にかけての勢力争いを66までと先手で切り上げ、黒67と左下三々に打ち込んだのが知念の戦さ上手なところ。以下73まで実に的確、かつ厳しい抉りで、続いて部分的にはG-3と左下隅と下辺の黒を裂いていきたいところだが、周囲に黒の勢力が控えているこの碁では、黒E-6とトバれて左下の全体の白がピンチとなってしまうのだ。
 □よって、仕方なく白74とハネたのだが、黒75と地を稼ぎつつ連絡を果しては大成功、地合いで勝る上に弱い石もなく黒の優勢がハッキリと目に見えるものになってきた。
 □だが勝負心理とは本当に複雑なものである。明確なリードが見えた瞬間、知念の心の中に、「あとは大事に手堅く」という意識が生じてしまった。白76に対する黒77は左上が少々薄く、止むをえないが、白78のときに黒79とさらに一手かけたのは「さすがに緩着」(河野臨天元)
 □79では右辺にQ-8と旗を立てて黒地を確定していれば完全に黒の優勢が確立されていた。
 □だから逆に、白から80の打ち込みが大変な大場。S-12のノゾキがあるので81から83がやむを得ず、先手の白は84と右下隅に手をつけて形勢不明に。
 □以降は双方必死の寄せ勝負。
 □黒91の下ツケに、白は92とハネ出して下辺を地にしたが、その反動で黒99、101に黒石が来て、にわかに中央の白が薄くなってしまった。この手ではすかさず左辺B-9と両先手6目の2線のコスミを打っておいてから、下辺は冷静にM-3の引きからN-4とハネて、下辺は黒に譲っても、中央の白模様をまとめるのが場合の手で、この際は有効だった。
 □黒75の出が知念の敗着。白78のヒキが逆寄せ5目強という手止まりの大所でさしもの熱戦も勝敗が決した。


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2006年02月23日

棋聖戦七番勝負第4局 ▲羽根直樹棋聖対山下敬吾九段 白2目半勝 2006.2.23 







 解説:石田芳夫
 □黒81は後手18目の寄せでしかない。敗着であろう。当然、左辺の白の攻めを見ながら、中央にできかかっている白模様を荒らしにいくところだった。
 □白82に対して黒83が欠かせない。でないと、B-11のツケで左辺の黒が死ぬ。
 □白84、86が右辺からの黒の連絡を強制して先手。
 □白90勝着。ここに白石がくることで、右辺の白模様、左辺の白石、上辺に利かした白石が関連性をもってひとつにまとまり中央に巨大な白模様が完成した。左辺の白石はE-8に断点をかかえていたのが自然消滅したのが大きいのだ。
 □[ここに、白の勝ちが決まり、以下は蛇足]白10は左上の寄せがらみの攻防で黒の応手を問うたものだが、狙いが遠かった。この碁がひっくりかえれば、敗着になりかねなかった。
 □白10にすかさず、黒11で答えたが、これも左上の攻防に囚われている。↓下の参考図Aのように、中央の荒らし、兼左辺白の攻めという意味ではJ-9(白118のところ)から当てて、白H-8(黒94のところ)逃げ、黒その上H-9ハイ、白K-9切り、黒G-8のアタリが必勝点で、次にF-8がカケツギと白切断のノゾキを兼ねて左辺の白は生きるのに汲々とする。これは、黒理想的な展開。たぶん、黒勝ち。
 □結局中央から左上は黒111と白118、黒119(非勢なのに、泰然と構えすぎ。当然122へ打つところ)と白122の交換をしたことになり、いずれも白が大幅に勝る。ここに勝敗は本当に決した。
 □以降の寄せでは黒のほうがむしろがんばっている。右辺白130、132の先手と見えたハネツギにも手を抜いて、左下を先手で決め、ついでに下辺も渡ってしまう。右下は手を抜いても、白からの後手セキしかないから価値が低い、と見ているわけだ。(黒が手を入れれば7目の地になる)だが、首が飛んでからの奮闘もこれまでだった。
 参考図A 黒111での別法、黒理想図






 黒111以下117は必然。関が原の戦いというよりも、大阪の陣。西軍の砦、大阪城は火の海だ。黒理想形。


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2006年02月21日

NHK杯囲碁トーナメント準々決勝 淡路修三九段対羽根直樹棋聖 白14.5目勝 2006.2.19OA








 参考図A 白48正解その@







 白48ではこのように中央をハネて止める手が成立していた。黒が49とハネても50、52から58まで先手でピッタリ決まっていた。黒が49を 

 参考図B 白48正解そのA







と、こちらにノビても、白52まで先手で締め付けることができる。下辺の地は小さくはないが、実戦のように左辺を大きく齧られる筋を防いでいて、中央が厚いのだという。

 参考図C 黒119ではこのように打てば、白は死んでいた!







 黒119では参考図Cのように黒119、121と厳しく攻めればここの白は死んでいた。ということは遡って白72のハネコミは成立しない、ということになる。とすれば黒69で黒は左右の辺に大きい地をもって、この碁は黒の勝利で終わっていた、ということになるのだった。









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第18期女流名人戦三番勝負第2局 ▲小山栄美女流名人対青木喜久代八段 白1目半勝 2006.2.15







 □黒35のカカリに手を抜いて白36の打ち込みは積極的だが、後手を引いて疑問。普通にしろ55と受けておいてよかった。
 □結局黒55の両ガカリに回られ、この白が根こそぎ追い立てられるようでは実利で黒リード。
 □白は62、66、そして68ハネと中央の黒を狙うが、黒69としっかり地を稼いで確定地は大差。
 □白70、72と中央の黒を狙うが、黒73とコスミ出されてみれば、上辺の白も根無し草。
 □白74、76と黒の上辺は荒らしたものの、黒は77、79と右上隅を固めた上に、黒81と一間に飛んで白の大石をターゲットにしている。
 □中央での大石同士の攻め合いは白94〜黒103とビミョーなからみ合いを演じる。このあたり『週刊碁』の記事によると、控え室では「黒103とトビが来て、黒が寛いでは白に勝機はない」との声があったという。
 □白4〜8は上辺との攻め合いにもっていこうという作戦だが、参考図Aのように普通に黒109と受け、以下黒125まで中央の黒と上辺の白の攻めあいは黒良し。
 □ところが白108に黒は震える。「黒109、111と抜けば厚く、白112、114と左辺の黒地が破れても、黒良し」(小山談)かと思った。事実その通りで、実戦の進行でもまだ少し黒良しだったのだが...。
 □いったん震えた小山はこの後も弛みに緩む。
 □黒117のサガリは118押さえで左辺に孤立した白はコウになる。
 □黒135は白136と替わって、かえって白170のツケを生じてしまって部分的に5目損。
 □黒151は一路下の188がよく3目損。
 □というわけで、小山は必勝の碁を落としてしまった。

 参考図A 左辺を黒109と受けて中央の黒と上辺の白の攻め合いの図









posted by 蔵山車理恵蔵 at 20:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月20日

第9期ドコモ杯女流棋聖戦三番勝負第2局 万波佳奈三段対知念かおり女流棋聖 白中押し勝 2006.2.1







 解説:柳時薫
 □白6ではR-17のワリウチが普通。6から8は趣向。
 □黒22の先手ハイを打たないでの黒21はただちに白22から押し上げられてコリ形だ。黒22を決めてしまっての黒21か、(黒22を)打たないのならQ-13とこちらからの大ケイマがバランスがいい。
 □黒31は性急すぎた。L-9のケイマが双方の模様の接点で白手を抜いて左下星からE-3とコスミで白地を固めれば、J-9の一間トビコシが光る。右上からの黒模様の壮大さは全局を圧するといっても過言ではない。
 □白32コスミツケから38のカドが厳しい攻め。
 □途中黒43と白46の交換はN-4の切りを無くして黒の大悪手。
 □下辺の黒は左右から挟撃されて中央へ逃げる。その競り合いの中で白56押しに白がノビれないのがつらい。しかも、J-7の割り込みがあるので素直にJ-10と一間に飛んで逃げれない。
 □白58ボーシと白好調である。黒は卑屈に59とコスミ。その調子で60と左辺を守る。
 □黒61と一歩一歩の進出には62と外し、先手での64、66の二段バネが気持がいい。
 □白72と上辺星の黒にツケて下辺とのカラミ攻め。結局76まで上辺は白が制することに。
 □白82のツケは一見手筋風だが、黒L-11トビなら白からうまい後続手段がなかった。実戦は90まで中央突破に成功して白優勢。
 □白92は打ち過ぎ。黒93と押さえられて後がない。白97ではR-13と受けて右辺を取り切っていれば黒逆転していた。
 □黒97、99の渡りも小さくはない。対戦者は気付いていなかったが、参考図AのC-6のツケというバカデカイ手が残っていた。
 □実戦は上記のバカデカイ手を残したまま進み、白は100と右辺を助け、黒は101と左上隅を荒らす。
 □従って、白116の左辺の守りでは、上記の手段を封じて、G-8(124)を利かしてからF-9の守りが盤中最大だった。
 □黒のラストチャンスは123だった。これは白からの上辺の渡りを封じた厚い一手だが、その目的は黒J-18と白H-18の交換だけでも達せられているのでそれを先手で決めてC-6とつければ黒勝ち。
 □以上、都合3回の逆転のチャンスを逃しては万波に運がなかった、としかいいようがない。

 参考図A黒125ツケ(C-5)その@






 白126D-7と引くのでは、黒127と切られて左辺を突破されてしまう。かといって、
 参考図B黒125ツケ(C-5)そのA






 白126(C-6)とハネるのでは黒127と切り違えられて、ここはどうしても手だ。だから、このように黒123から125と打てば黒が勝っていた。




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2006年02月14日

リコー杯プロペア戦2006・決勝 ▲小林泉美・山下敬吾ペア対鈴木歩・張栩 白中押し勝 2006.2.4







 解説:武宮正樹九段
 □左下で始まった戦いは黒9(小林)のカケに白10(鈴木)が出切って勃発したが、白24(張)が冷静。黒25(小林)もおだやかな別れ。
 □白34(鈴木)の様子見にJ-4のツギ(それだと白H-3、黒H-2、白J-2、黒K-2となって、白はG-2と36(E-5)が見合いになって先手のまま、手が抜ける)ではなく、黒35と受け(山下)たのは先手を取る手段。しかし、断点が二つ残った。
 □黒37〜41(小林)、43(山下)と黒は地で先行する。
 □白44(張)にも手抜きして45(小林)と左上に黒模様を築き、更に49(小林)と左辺に浮いている白六子に襲いかかる。
 □白も左辺を守っているだけではつまらない、「売られた喧嘩は買う主義」、白50〜54(鈴木)と気合よく下辺の黒を切断。中央で空中戦が始まった。
 □白66(鈴木)の大ケイマは、足が伸びている。黒69(小林)と激しく喰らいついていった。
 □白72(張)は73からシボる和平策を拒否した徹底抗戦。
 □白84(張)は一見ヌルいようだが、黒がM-11にポン抜くと、白97(E-14)のカケで要の黒三子が落ちる。
 □だから、黒85(小林)と白86(鈴木)は必然。この結果、白は二つのグループに分断されているが、黒も上辺の黒模様が破れそうで両者必死のところ。
 □危うく見えた中央の白は102(鈴木)で生き形。
 □戦いは上辺に移る。白104(張)と黒模様に先着して黒45を取り込み大きい白地にしたかと見えた瞬間、小林の放った黒105〜109が絶妙の手筋で白抵抗できない。以下123(山下)まで上辺は白に与えても、黒は右辺を大きくまとめた。
 □白128(張)は場合の手で、このケースでは好判断。黒129(小林)と上辺を破られる損よりも、白130(鈴木)と右辺を荒らすほうが大きいとみたのだ。この手は、更に白148と一子を引っ張り出して黒を取る狙いのあるところだ。
 □黒131(山下)に白133と受けるのは、黒K-17があるので味が悪い。それで白132(張)、黒O-19を利かしてから白133に回ろうとしたが、黒133(小林)が機敏。右辺が大きくまとまっては黒優勢。
 □黒135(山下)は目いっぱい右辺を囲おうという頑張った手だが、白138(鈴木)がそれに輪をかけた強情な手。右辺の黒地に手があると主張している。勢い黒141(小林)と真正面から切り結ぶことになった。
 □ここで張の放った白144の動き出しが勝負手だ。
 □黒145(小林)は、白の挑発に乗ってしまった悪手。この手では、黒141、143が来たことで右下の白は危なくなっているので、なんと右辺は手抜きして、167(N-2)とハネれば白は死んでいた。
 □すると、肝心の右辺は実戦と同じように、白148(張)の引っ張り出しから黒上辺の六子は落ちても黒165のアテが利いて右辺の黒九子は下辺と連絡ができるので白は後手で145と渡らなければならず、これは黒の大差の勝ちだった。
 □もっとも、実戦の進行のように白164(張)と黒六子を抜いても、右辺は黒取っているので、黒がまだ良い。
 □白166(鈴木)に黒167(山下)と右下の白を攻めるまではよかったが白168(張)に黒169(小林)が白を深追いして自分の足元を見失った痛恨の敗着(黒169で170なら細かいながらまだ黒が良かった)だった。白170(鈴木)がダメ詰まりで黒171(山下)が余儀なく、白180(張)で攻めていた筈の下辺黒が頓死、あっけない大逆転で勝利は白に転がり込んでしまった。

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第18期女流名人戦三番勝負第1局 ▲小山栄美女流名人対青木喜久代八段 黒半目勝 20062.9







解説:高木祥一
 □白16はR-5と割り込むのではなく、こう継ぐのが最近の流行。
 □白30で左下に転戦したが、O-10のマガリがQ-8のハサミツケを見て先手で手厚い。だから、黒も31ででN-9とケイマしているのも考えられた。白M-11と替わればやはり先手、それだけで働きだ。
 □白は左下黒31のハサミに手抜きして三間に開いた左辺黒の真ん中に32と打ち込み戦線を拡大、乱戦に誘う。
 □白40は足の遅い打ち方。
 □白50は失着。左辺に目が行き過ぎで、ここはD-15と一子をカミ取らなければならなかった。実戦は左上に薄みを残し、実際黒に寄りつかれることになる。
 □白52の切りは白40、50と力をためた左辺からの切りで「強引な手」だが、実際打たれてみると意外に有力。ここから碁は黒と白それぞれ三つずつの死活のはっきりしない石同士の盤面すべてをあげての戦争になる。
 □その抗争の途中での黒73はナラビは、白からの割り込みを警戒したものだが用心のしすぎ。一間のトビでよかった。この一路逃げ足が遅くなった大きく、左辺の白は80、82と中央トビ、トビで自然に右辺の白と握手してしまった。これで白は三グループすべて安定し、理想的な進行だ。
 □一方の黒は中央分断された二つの一団、下辺と三つとも心配だ。ここで黒83以下上辺黒を動き、先程述べた傷がある左上の白を攻めるフリをして89、91と、頑張って地を稼ぐ(黒91で中央を助けているようでは、白91と曲がられて地が大差なのである)。白からJ-14の切りは残っているが、それはH-11のコスミつけでカカトでしのいでいる。
 □白92アテに継ぐのは流石に下辺黒が危険とみて、黒93の伸び。しかし、白は94の抜きが先手になって好調が続く。
 □白96ハサミツケが手筋で黒107の連絡を余儀なくして白116〜120の封鎖が完了。黒瀕死状態だ。
 □白122が痛恨の失着。これでJ-7からH-6と出切れば中央の黒二十一子は殺せていた。
 □黒、白122の失着に助けられ、139まで先手で中央の白一子をカミ取った上、141、147と下辺になだれ込み、153とケイマにすべってコウにする。
 □コウは出入り150目。天下きかずで白は164、166とコウを抜き、黒は165、167と中央に逃げ出した。下辺黒全部(白地63目)と中央白(黒地48目)のフリカワリだ。
 □この別れ、実は白に分が良い。以下ヨセ勝負。ここで白に手痛いふたつのミスが出る。
 □白の寄せミスその1。白170はQ-5から決めるのだ正しい。それでも170まで先手で利くから、逆に黒から183の出を先手で利かされた実戦に比べて最低三目の損をした。
 □白の寄せミスその2。白188は安逸。219の所にハネ返して反発し、黒が出切ってくればここで最後の一戦を交えたかった。
 □上記の二つの逸機を逃し、白はあえなく半目負けとなった。
 □


posted by 蔵山車理恵蔵 at 00:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月13日

無視された、あおきひとしの変化図 黒47カケ〜黒先セキ







 怪説:あおきひとし
 □白50の出には黒51と力強く押さえる。(結城説のように、軟弱に“引く”ことはしない)
 □中央は切り合うことになるがこの攻め合いはどう見てもセキにしかならない。
 □だから黒は中央を先手で攻めあげて左下の攻めに回る。
 □中央の黒の厚みの傷は気にしない。(これがノーテンキ?!)


posted by 蔵山車理恵蔵 at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

棋聖戦第3局 変化図 封じ手=カケは白良し







 解説:結城聡九段
 □封じ手黒47ではこの変化図のようにカケて打ちたいが、白74まで、シノがれる。
 □黒は75の備えが省けない。
 □そこで白76と、右辺を大きくまとめて(白43目)白良し。
 □下辺にはF-2のサガリは先手で利くが、C-6と左下の星の白にケイマカカリして攻めても、白は死なない。


posted by 蔵山車理恵蔵 at 21:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月12日

NHK杯準々決勝 ▲森山直棋九段対柳時薫九段 黒7.5目勝 2006.2.13OA







 解説:レドモンド九段
 □黒13〜19は左辺から下辺にかけての模様を重視した。上辺の黒二子は場合によっては捨てるつもり。
 □白も40から左上の黒を追い出して、その調子で右辺の白を固め、かつ左辺〜下辺の黒模様の削減を計る。
 □黒も逃げるだけではだめなので、51、53、から59と左辺を頑張る。
 □白62、64、66の様子見にも63、65、67と徹底抗戦。
 □こうなれば白も怒る。68で封鎖。
 □黒は69以下出切って暴れまくり95まで取れるものは取って左下に90目からの地を完成、中央の黒十二子は勝手にしてくれと居直った。
 □白96と急所に手入れ。これで取り切れていれば白地は上辺だけで90目近く、これだけで下辺の黒地と拮抗していて、右辺の白地40目の分白良しなのだが。(右上の黒地はコミと相殺)
 □黒99のコスミ付けに白100の受けがぬるかった。
 □黒101から109とコウになっては、黒近所コウが多く生きたも同然。
 □コウは不利と見て白は118、120と左下を連打、ここに手段を求める。
 □左辺黒129、131は最強の頑張りで、左辺を黒地にする。その見返りに白は134、140を連打して下辺を手にする。
 □その一瞬のスキに黒は141から150まで、先手で黒149を打ててコウ残りだった上辺の黒がはっきりと生きたのが大きく、局面をリード。
 □黒は更に下辺に151と打ち込んで、ここをコウにする。
 □黒181と黒にコウ材は多い。やむなく白182ツギと下辺のコウを解消。
 □黒183も必死のところ。右下隅に小さく生きるようでは地合いは白が良い。
 □黒185に白186と止めて、右辺の黒は2線のハイ6本の形で生きはない形だが...。
 □黒187のハネ出しに白188の切りが痛恨の一着。
 □黒193、195が先手で利くのがうまく、197と突っ切っては右下に出来た黒地は右辺の白地に匹敵する。こうなっては、黒の勝利が確定した。

posted by 蔵山車理恵蔵 at 15:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月11日

棋聖戦 上辺のコウを白あくまで頑張り抜く図







 解説:結城聡P
 □白は82、88と左下にふたつコウ材があり、コウをふんばり抜く。
 □白206のコウ立てに黒はコウが続かず、207と抜く。白も208と黒三子を取り、以下216までのフリカワリとなるが、これらの手はいずれも13目。(つまり、182、185、188、191、194、197、200、203のコウ材は13目以上の価値があり、それ以外のコウ材は13目以下の値打ちしかない)
 □以下寄せると、白半目勝ちになる。


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棋聖戦 白92での変化図







 解説:結城聡
 □白92で実戦のE-17コスミではなく、このようにケイマして中央の黒を攻める。
 □黒は中央を受けていては利かされとみて盤中最大の大場黒93と左上の三々に打ち込む。
 □白は左上を97まで受けて手を抜き(左辺は下が裾空きの意味があり大きくまとまらない)、98〜101と先手で中央の黒を攻める。
 □白102で上辺に一手かけるのだが、この立体的な白地は、黒から上辺から突き抜かれ、右上から侵略された実戦に比較してはるかに魅力的だろう

posted by 蔵山車理恵蔵 at 15:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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