2006年01月30日

第4回正官庄杯世界女流勝ち抜き団体戦第12戦 ▲朴金志恩(韓国)対小山栄美(日本)黒4目半勝 2006.1.17上海







 □黒13は“韓国流”
 □黒15の打ち込みから左下で戦いが始まった。
 □白30は黒7-9-13の形の弱点をついた利かし(黒M-3とひけばふつうで、白32とつぐ前提)だが黒31が韓国流激辛のハネダシ、黒37まで白石二子を取ってしまった。
 □白はその代償に38と掛けて黒51まで左下隅に黒を押さえ込む(10目の黒地)。典型的な外勢対実利という分かれだが、この外勢は傷があって本物のそれではない。
 □ともかく白は52、54と左辺で地を稼ぎ、全体のバランスを取る。
 □黒61の低い二間開きが独特の打ち方。日本式ならK-16の高い三間開きが上辺一帯の構えとして推奨される筈だが。
 □だから白64からの消しはこんなもの。70まで楽々と中央に頭を出す。
 □黒71が絶好の様子見。右辺白の分断と上辺白の攻め、下辺白の切断を見た八方睨みの“耳赤の一手”。白72黒73となった時、白74とここに手を戻さなければならないようでは白辛い。
 □黒77の押さえ込みが当然ながら厳しい。白78、80とダメを打って右辺と上辺をつなげるだけ。しかも、つながった白全体はまだ生きていない。
 □白88、90の割り込みと黒91、93の交換は右辺の黒を強くしただけで、右下の白には何の益もない。一方右辺から上辺にかけての白は94と一手かけてもまだ黒からの攻めの対象。ならば白88ではいっそE-11(ここは双方の模様の接点で、部分的にはどちらからも両先手の意味がある)と打ちたかった。
 □そのE-11を黒95と先手10目の手を打ちサラサラとヨセに入る。黒103は勝ちを意識しすぎて震えている。しかし、白は114と一手手をかけなければならず、それでもまだ生きたわけではない。
 □黒123のコスミは上下の白を割っているが、勇み足だった。すかさず、白124〜黒135と黒の形を先手で崩し、返す刀で白136と中央に手を戻す。これが左辺白との連絡を図りつつ上辺黒地の削減を兼ねて大きいところ。
 □更に黒147、149が先手ヨセのように見えて、身ダメを詰めた悪手。白O-4からの黒二子取りを残してしまった。こう、あからさまな悪手が2回も続いてはさすがの黒もピンチ。
 □ところが白156が敗着、黒157と換わって一瞬かいまみえた逆転のチャンス、白の勝利は消えてしまった。残念。なお、白156は逆ヨセ(気味)5目、黒157は後手12目。で黒157がはるかにでかい。

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2006年01月29日

NHK杯囲碁トーナメント ▲潘善キ対羽根直樹棋聖 白中押し勝2001.1.29OA







 解説:石田芳夫
 □黒3「対角線に打つと戦いの碁になりやすい。(並行型の碁はゆっくりとした進行になる)」(石田芳夫)
 □白14は黒21の打ち込みに備えた手だが、(黒19が来ると)左上の白に響くので善悪は不明。
 □白20は左上受けが(利かされで口惜しいだろうが)本手。実戦の白20は上辺とのワタリを見ているが、上辺中央を遮断された時18と20が3間で打ち込みを狙われて、薄い。(実戦もそうなった)
 □白24は下からアテるのが気合だが、いい手が見つからなかった。黒29となっては白が薄い。
 □白30、32の出切りに対して、お返しの黒33〜45の出切りがきつい。結局白56と左辺に手入れせねばならず、白後手を引いた。
 □黒57の「剛直な」分断で黒は左右の白を睨む。
 □あれこれ色をつけたが結局白64と左上隅を守る。
 □ならば黒65と三間の真ん中への打ち込みが強烈。ここから始まった戦いは、両者中央進出する。
 □白は右上に取り残された18もさばかなければならずつらい限り。ここは白90、94と「やわらかく」処理したが、隅の実質は黒に与えて、なお生きたわけでもない。
 □黒96、98と黒を圧迫しつつの中央進出に対し、黒99と右辺のいカめを見た。
 □白100のノゾキが強烈。黒はその右J-8とカワスのは弱腰と見て101とついだが、白102のケイマ掛けで封鎖され、結局中央の黒は頓死。あっけない幕切れ、となった。


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2006年01月22日

NHK杯囲碁トーナメント ▲今村善彰八段対植木善大八段 黒4.5目勝







 解説:中野寛也九段
 □白24から右上隅に手をつけ、白34と植木中央重視を表明。
 □黒43からの戦いの最中に白46は戦線離脱ではないのか。白46は初志貫徹で中央を打ちたかった。それでよくないのなら、白24〜34の基本戦略に誤りがあることになる。黒63までの別れは黒不満ないだろう(あおきひとし)
 □白64、66と左辺に手をかけるがその間に黒も65以下左下を抉る。
 □白82と黒83は見合い
 □黒91の打ち込み(?!)が決勝点。白92とカケたがこの黒はつかまらない。L-5からのコウは白も怖い。(その後、白は119と自らコウ味を消した)
 □白128以下の大振り替わりは一見派手だが実質はたいしたことない。勝負に影響はなく、この後黒4.5目勝の大差。


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2006年01月21日

梶原理論







 解説:梶原一騎じゃない武雄 「一刀両断!梶原節」より
 □私は黒1と打った。いまのところ、これが隅と辺と中央のバランスがもっともよく、最善らしいと思っている。
 □白2が問題だ。でそれをとがめて黒3と肩に行く。極端にいうとこれで“オワ”なんだ。黒3はごきげんうかがい、挨拶のようなもの。ここの白の応手によって、右下隅が大きいのか、左上隅が大きいのか決まってくる。アキ隅を占めるのはそれからでも遅くないというわけだ。
 □白は4〜10と下辺を重視してきた。それなら黒11とより価値の高いこちらのアキ隅を占めて一歩リードと思う。(白10でc-6と左辺を重視すれば、黒はq-3)
 □白12で残るアキ隅を占めれば、黒は13(J-16)と上辺に中国流を敷く。この黒の陣形ははるか左下の肩ツキと呼応して理想的だと思わないかい?






 □理想型はいやだよと、白12とかかってきた。私の予想しない手であった。アキ隅を放置してカカるなんて、常識的には損だからね。黒13と一撃して白を14、16とダメの方向に追いやる。こんなところをトビ出されても、全然こたえないでしょ。それに、左下の肩ツキが働いて白を攻める楽しみだってある。
 □黒17と待望のアキ隅を占めてホントの“オワ”である。証明:白は左下15目、左上5目、コミ(5.5目)を入れても25目。黒は右上と右下隅が8目ずつ。左上の二間は遠慮して5目。上辺に有する力は5目、右辺の力は10目と見る。合計すると36目。よって、黒が10目良い。次は白の手番だが、黒17かでとだいたいの骨組みが決まると、白がふえれば黒もふえるで、数字に大きな変動はなくなるんだ。
 □白18のカカリから28までは相場としておく。すると右上は黒が8目あったのに、白地が10目ついているようだが、上辺の黒の厚みは5目どころじゃないし、右下も黒29とシマって増えているので天下の形勢は何も変わっちゃいない。
 □白30からは非常手段。上辺が白地になったといっても、稼ぎは知れている。対する黒はずいぶん厚くなった。それにH-18のトビが利いて左上の白三子が頼りなくなっている。黒45、47と攻めに回ってやっぱり天下の形勢は動いてない。双方が大過なく打てば黒はがっちり勝てる。


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2006年01月19日

第31期名人戦挑戦者決定リーグ戦 ▲小林覚九段対潘善票恵福々・羃,珪。







 解説:王立誠 記者:春秋子
 □白6の二間高バサミに白7、9は昨年の名人戦で張栩名人が打った最新流行の型。だが、潘は白10の打ち込みから14と隅を守った。王「C-15とコスミツケて、先手を取りたい」
 □先手を貰って、小林は黒15と左下の好点に先着した。白16は白10の出切りを狙った手だが、黒17が好感覚。
 □白は18からの出切りを実行。左上を大きく取った、かに見えた。
 □黒も29、31の出切りで対抗、いきおい左下隅は白34〜42と天下コウになる。
 □黒43は損コウだが仕方がない。こうなれば白にはコウ材はない。白46、48の突き出しで妥協し、黒47の抜きと換わった。王「これで互角」
 □黒51に白52以下62まで塗りつけたが、派手さの割りに実はない。
 □黒63のシマリが絶好点。
 □白は64、66と二手かけて右下の棒石を安定させるが、後手である。ここでは左上隅ももう一手かけて地模様を確定地にするべきだった。
 □というのも黒67、69以下85まで、死んだフリをしていた左上の黒が動き出したからである。
 □となれば、左辺からは白と黒がともに目がないまま競り合って右方への先陣争いになる。
 □白は勢いよく92のボーシと大上段に構えたが、その隙に黒から95〜99と左辺を絶たれ、白108と生きねばならない。
 □黒109〜白112は双方必死の攻防だが、白114、116が敗着となった。黒117、119が勝着で、左辺の黒に死にはなく、右辺を一方的に攻めては黒の勝利は確定した。

 □


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2006年01月16日

第7期阿含・桐山杯日中決戦 ▲井山裕太対古力 白中押し勝







 自戦解説:井山裕太 取材:山村英樹毎日新聞記者
 □白10が古の趣向。井山は素直に黒11に回ったが、右上は先手で白に上手く立ち回られ、白24、26のワタリがぴったりで、黒35まで黒五子が浮いているのが「つらい」。
 □黒33は高くL-4かK-4と打つのだった。そうすれば、R-12からの出切りに対するシチョウアタリになっている。
 □先手を取った白は36と左上を動き出し、地合いでリードを図る。
 □白36〜44まで左上の折衝はこんな相場。
 □黒45から下辺の模様の拡大を図るが黒51がしつこかった。すかさず白54と絶好の肩ツキで黒模様を消されてはつらい。黒51では「K-6と囲いながら、R12の出切りを狙うのだった」
 □E-12の“アタタタ(梶原造語。「頭叩き」の意味。「アイタタタ」との掛け言葉になっている)”は黒の権利。(そうすれば黒51の顔も立つ。)それを打ち惜しんでいるうちに、白56トビと打たれ、黒57と上辺黒五子の補強で省けなかったのもつらい。
 □井山頑張って下辺の白を攻めるが、白66に反発した黒67が頑張りすぎの敗着。白68と切断され、白72、74を利かされ、白76に構えられては、攻めは遠のいた。先に打った黒67が宙に浮いている。
黒67では黒69白70黒F-4カケツギとしていれば、雲行きは怪しいとはいえ、「まだまだ分からない」。
 □黒95で96なら左下の黒は助かるが、白95ツギを打たれ「勝ち目はありません」
 □井山は左下の黒を捨て、黒101の打ち込みに一局の命運をかけた。
 □しかし、古は上下ふたつの白を巧みにしのぎ、勝利する。


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2006年01月15日

NHK杯囲碁トーナメント ▲蘇耀国八段対小林覚九段 黒中押し勝







 解説:王銘ワン九段
 □黒は7、19、21と石を散らしてゆく。この3グループに分かれた黒がどのように安定するかが戦いの帰趨を決める、と解説の王銘ワン九段。
 □対する白は38、40と力強く裂いて出たが、黒41のコウ取りにいったん白42と左辺を守らなければならないのがつらく(小林談)、黒45からの切断を許し(白20、46、24、38、40の白が浮いてしまった)、左上のコウ争いも白54と屈服しては左辺一帯での争いは黒が一歩先んじることとなった。
 □左辺での黒2グループと白2グループの際どい戦いが続くが、白94のツギが強引だった。
 □黒95から出切られて下辺右の白石を取られては白形勢を損じた。
 □白118と攻めを見るが、黒119と冷静に中央を連絡しつつ下辺の白を取りきる。
 □白130からコウ争いのようだが、黒からH-14の割り込みがぴったりで黒は連絡している。
 □白は右下、上辺と暴れてみたが、黒に的確に応対されれば、投了もやむをえない。


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2006年01月14日

女流名人戦挑戦者決定戦▲青木喜久代八段対吉田美香八段 黒中押し勝







『囲碁ジャーナル』(NHK、1.14OA)解説:矢代久美子女流本因坊
 □白4、6、8は趣向。黒9、11はおだやか。黒13は必争点。
 □白28は綾をつけにいったものだが、黒29、31が力強く、続く黒33、35が右下隅の白の死活に関して先手で鋭い。
 □白40からの逃げ出しは仕方がないが、重い。しかし、白48と黒を分断し、以下黒65まで先手で中央の白と左下の白を安定させては吉田(白)持ち直したか。
 □黒67の打ち込み以下生じたコウも黒83まで青木(黒)は厚く打つ。
 □黒85に白86はK-18のハサミツケを嫌ったものだが、黒89と連絡し、上辺の白二子取り込みと右辺の黒模様の大きな囲いを見合いにして黒好調。
 □左下の白に黒91から形を決めにいったが、白102のキリが変調。黒にスミを食い破られて白後手で生きるようでは勝負はあっけなくついてしまった。
 □黒115の上辺飛び込みは勝利宣言。


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2006年01月07日

参考図B









posted by 蔵山車理恵蔵 at 19:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

参考図A









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2006年01月02日

新春お好み囲碁対局打ち初め ▲ゴスペラ―ズ北山陽一対普天王水 白32.5目勝







 □黒1〜9オールスター。解説の武宮正樹九段の喜びそうな手。
 □白16の打ち込みから右上で戦いが始まった。普天王はここ(白18)で1回目の作戦タイムをとって武宮陽光五段と相談したが応手を誤り(白22〜24)、黒25の鋭いハサミツケをくらってはピンチ。上辺か中央かどっちかが切断される。そこで武宮陽光五段から2回目の作戦タイムを取り上辺を捨てても白28と中央を突破する非常手段をとることに。
 □ところが白28のアテに、北山はN-17と一子を抜いて上辺を破るのではなく、黒29と継いだのが大緩着、白30と上辺は傷めることなく中央突破しては白優勢。
 □黒31以下双方の戦いは左辺に展開する(黒35で北山1回目の作戦タイム)が、黒41打ち込みが意表をついた。
 □白50に対応を迷う普天王に武宮陽光五段は「お助けカード」を発行。“格言アドバイス”で「ポン抜き30目」を提示するが普天王には通じない。やむなくラスト3回目の作戦タイムを取ることに。
 □その白50の抜きに黒51のカケツギが弱気、白52のアテをくらい、白56の抜きにも黒57と屈服(D-5についでおけば左下白は破れていた)しては白大優勢。
 □黒61で梅沢由香里五段から作戦タイムをとる。黒61の渡りはふたつの黒グループの連絡をさせて厚く、又次に三々打ち込みを狙っていて双方の攻防の急所(逆に白C-10押さえからC-12の渡りが白厚い)ではあったが、白62に黒63の引きが弱気の三発目、白64サガリに回られては勝負手不発の感。
 □黒65から大ヨセに入うrが、ここでも北山は弱気な対応で譲歩を繰り返し、梅沢からのラスト3回目の作戦タイム(黒85)も遅きに失した感がある。
 □黒155に白156とアテては黒にその左(B-14)に切られてコウになるところ。北山黒157とついで白158のツギを許し逆転のチャンスを逃がした。
 □中央の白は断点だらけで危なかったが、双方気付かず。
 □白182以下略。195手で終了。白番普天王の32.5目勝。


posted by 蔵山車理恵蔵 at 15:45| Comment(0) | TrackBack(1) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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